同級生、Sの初盆。

やっと線香をあげられた。

白血病。

医者は親族に何の相談もなく本人に宣告したそうだ。
それから一年。
力尽きた。

「あんなに優しかったのに人が変わったようやった。他人には相変わらずやったのに…」

妻君の言葉が痛かった。


貴方にしか甘えられなかったんだ、とSに代わって心の中で謝った。


後刻、同級生数人で飲み、そして笑い、歌った。

盛上れば盛上る程、
涙が止まらず困った。

Sとは、こんな機会がなかった。数年前にこうやって酒を酌み交わせれば…
笑い合えれば…

あの、人の良さそうな顔が浮かんでは消えた

何度も何度も…。