夢枕獏/著 2009.12.10文春文庫刊
- 陰陽師―夜光杯ノ巻 (文春文庫)/夢枕 獏
- ¥580
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ファンタジー系だからかな。
時代ものだけどチャンバラではなく、ご存じ「人外のものや目には見えない人の心と対峙」するストーリー。
この巻は妖の類が人に(結果的には迷惑にはなっているけど)仇なすものではなかったので、読後感も柔らかな気分です。
その迷惑になる原因を、そもそも人が招いているという趣が夢枕晴明の魅力だよねぃ。
頭の中が、紀元前3世紀~紀元3世紀あたりのローマ時代から、いきなり日本の平安時代に戻ってきました。
(あ? でも年代的にはそんなに大きく違わないのか?)
タイムトラベル 自由自在♪
個人的ツボ…ていうかみんなツボると思う純粋博雅と晴明のやり取り。
地獄の獄卒を見送った後。
(以下本文より引用)
「いつ、おれが、どのような死に方をするにしてもだ…」
「どうした」
「こうしておまえとこの世で出合うて、こうしてともに酒を飲んだ夜があったことを思えば生きていた意味があったということさ」
(中略)
「この世に、おまえがいてよかったと、おれはしみじみと今、そう思っているのだよ、晴明――」
「馬鹿」
「馬鹿?」
「そのようなことを、ふいに言うものではない、博雅――」
「何故だ」←この辺りが天然 v
「おれの心にも準備というものがあるからだ――」
(引用以上)
ぷぷぷ。
そして映画以降、小説を読んでいても、野村萬斎《晴明》と伊藤英明《博雅》で脳内変換されてしまうのは私だけでしょーか。