


浦和から高崎のショップに勤務地が変わっていたツヅキちゃんからBMWの出物があるとの電話が入った。
待ってましたー!である。赤ぼかしの'79のR100Sだった。私のオーダーはR90S/R100S/R100Tの順だった。流石にR90Sは玉数が少なかったので、無理だろうなと思っていたが、R100Sの赤ぼかしだと聞いて、小踊りをしてしまった。早速、引き取って整備・登録をしてもらうことにし、お別れするW-3を綺麗に磨きながら納車をまった。
浅間ミーティングで色んな種類のBMWを見て、各オーナーたちのシニアな雰囲気に完全にインスパイアされていたのだ。これで、自分も外車のオーナーだ!大人の仲間入りだ!
オイル引きのベルスタッフを着てR100Sに乗っている自分が乗ってるシーンを想像する・・・・。
多くの先輩たちみたいに、峠のタイトコーナーをスマートに速やかにパスしていけるのだろうか?
どんなのり味なんだろうか?レコード針がレコードをトレースするような感覚でどんな感じなんだろう?
・・・・色んな思いが膨らんで、付き合っている彼女の事なんか全く頭に無い状態が続く。
物欲が強い私は、昔から、ちょっと無理めの高額の欲しいものがあると、必ず付き合っている彼女と、
それを天秤に掛けるという妄想をする癖がある。
例えば、「あー、R100Sに乗れるんだったら、彼女と別れてもいいかなぁ・・」 と妄想する。別に分かれる理由もないし、分かれるわけでもない。たぶん、どの位欲しいのか?を自分で検証しているのだろう。彼女と別れてまでは欲しかーねーやと思う場合は買わない。そう決めていた。
それが理由で分かれるようなことはなかったが、そうやって、物欲にかまけ、いつも夢だったものを手に入れてきたから婚期が遅れてしまったという説もある。ま、それは友人たちの評価というか判断が正しと思う。しかし、今は違う!それが理由で離婚されそうな危機がたくさんある。あなたは結婚と子育てに向いていない!一人で自分の趣味に没頭しているのがお似合いよ!っときたもんだ!
冗談はこの位にして・・・・・
いよいよ納車の日、里子に出すことになる大切にしていたW-3をピカピカに磨き、最後のツーリングに出かける。引渡しは高崎のショップなので、軽井沢を回ってから立ち寄り、そのままW-3を下取りに出し、念願のR100Sで帰る段取りにしていたのだ。
オートバイって、売ることが決まってからの最後のツーリングに行くと、大抵、やたら調子が良いことが多い。この時も、買ってから一番調子が良かった。出来る事なら手放したくはないんだよ。と呟きながら、鬼押しハイウェイを飛ばした。碓氷を下り、高崎の市内に入り、川沿いのR17を走り、やがてショップの前に止まる。W-3の音に気付き、ツヅキちゃんが出迎えてくれる。その笑顔の視線の先には、綺麗な赤ぼかしのR100Sがセンタースタンドを立て、フロントタイヤを持ち上げた独特のスタイルでヘッドライトをこちらに向けて止まっていた。なんとパニアケース2つ付きであった。W-3を引き渡し、相殺の代金を支払い、納車手続きを終え、簡単なメンテの事を工場長のツヅキちゃんから聞き、いよいよR100Sのエンジンをかける。予め暖気運転をしておいてくれたので、R100Sは軽い身震いとともに、いとも簡単にジェントルなアイドリングをし始めた。
軽いフラットツイン特有の軽い“りんりん・・・”というタペット音がする。少なくとも私には、そう聞こえる。
本当の意味で、私をオートバイ好きにしてくれた傍らにあるW-3に目をやる・・・・・いいバイクだったなぁと思い出に浸る一瞬の間に、色んなことが頭を駆けめぐった。(後にこのW-3は高崎周辺の喫茶店だかレストランのバイク好きのオーナーが買い、お店のオブジェ?になったとか・・・・・)
さぁ出発だ!感傷と期待の混じった軽い興奮状態で挨拶を済ませ、ついさっき注意を受けた、センタースタンドの下ろし方のコツで、R100Sのセンタースタンドを下ろす。(R100シリーズはタイヤのメンテナンス性を考慮し、センスタを立てると、フロントが浮くので、下ろすとき、ギクシャクして倒してしまう事がある) 跨って、シフトをローに入れ、見送りのツヅキちゃんたちに手を挙げ、ついに走り出した。
ツインなのにショートストロークのエンジンとシャフトのもたらす、ブゥーンというダイレクトな4輪のような加速! 嗚呼!これがフラットツインのフィーリングなのか! 何処となく以前乗っていたGL500のフィールを想像していたものと全く違う、今までに味わったことの無い感覚が手足や体に伝わってくる。大きな国道に出て、スロットルをグイッと捻る。お尻を斜めに持ち上げ、グゥーンと加速して行く。ステップに乗った両足が小刻みに振るえだす。新しく買ったバイクに初めて乗った時に必ず起こる、私特有の、武者ぶるいと同じ現象だ。さぁ、これからR17を右に折れて、藤岡ICから関越にのって、高速走行だ。どんなパフォーマンスをこのR100Sが見せてくれるのか・・・・・・
今日はここまで、次回に続く。
画像2枚目:何だか板についてない感じ?の浅間でのR100Sと私です。やっぱり20才代で乗るには早すぎた感が・・・・・貫禄まるでなし!
3枚目:本当はこれが欲しかったR90S(浅間の会員の車両=2003春のミーティングから)