Thin Lizzy (シン・リジィ)の結成50年を記念してBOXセットが発売されるそうだ。Apple Music でも「Rock Legends」のタイトルで楽曲が提供されるようなので、リリースを待ちたい。

             

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Thin Lizzy のリーダー、フィル・ライノット(Phil Lynott)はアイリッシュの母親とブラジル人(※)の父親の混血としてアイルランドに生まれた。

父親は生まれた後すぐに消えてしまい、ダブリンにいた母方の祖母に育てられたそうだ。

※ギニア共和国からの移民との説もある

 

ハードロックというと白人のイメージが強いが、褐色のヴォーカリスト / ソングライターはハードロック史に残る名アルバム「Live And Dangerous」を残して、36歳でヘロイン中毒で亡くなった。死の直前にThin Lizzy はラストコンサートを行い解散している。

 

 

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1976年当時、Thin Lizzy はライブに定評があったが、ヒット曲がなくスターダムに登り詰めるにはもう一押しが必要だった。

アメリカから呼んだ名プロデューサー(Tony Visconti)は次のアルバムにキャッチーな曲を入れるよう提案する。

そこでフィルが書いたのが「Dancing in the Moonlight」だった。

1977年にリリースされたアルバム「Bad Reputation」に収められていて、UKチャート4位に入りバンド史上最高のヒット曲となった。

記事: The story behind Thin Lizzy's Dancing In The Moonlight

 

Thin Lizzyはハードロックバンドだが、この曲が一番好きだというファンが多い。

「ティーンエイジャーの真夏の恋物語」といった歌詞で、定評のあるフィルの詩とサックスが織り成すリラックスした雰囲気が心地良い。

ライブで聴いてみよう。

 

 

 

 

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When I passed you in the doorway

Well, you took me with a glance

I should've took that last bus home

But I asked you for a dance

Now we go steady to the pictures

I always get chocolate stains on my pants

And my father, he's going crazy

He says I'm livin' in a trance

 

But I'm dancing in the moonlight

It's caught me in its spotlight

(It's alright, alright)

Dancing in the moonlight

On this long, hot summer night

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真夏の夜に女の子に出会い、映画に行ったりデートするようになった

(いつも終電のバスに乗り遅れて、遅く帰ってくる自分に)

父親は言う 浮かれるのもいい加減にしろと

でも、真夏の月夜の下で彼女と過ごす時間がまるで夢のようだ

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蒸し暑い夜が続く。早くコロナが収束して、若者が自由に楽しめる夜が戻ってくることを祈るばかりだ。

 

今回検索していたら、偶然面白い映像を見つけた。

様々な人種やジェンダーに”普段聞かない音楽”を聴かせてその反応を見るというもの。「First reaction video」と呼ばれ米国で流行っている。

 

JamelさんのYoutubeビデオは、典型的な黒人(Jamelさん)に白人系のクラシックロックを聞かせて反応を見るという内容で登録者は52万人もいる。

 

『Jamelさん「Dancing in the Moonlight」 を初めて聴く』を観てみよう。

同郷のヴァン・モリソンが同名曲を歌っていて、どちらがオリジナルなのか知りたがっている。

ウ〜ン(damn!)とか言いながらリズムに乗る感じがなんとも可愛い。

 

 

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余談になるが、朝スッキリを見ていたらパラ水泳の木村選手の特集をしていた。

全盲のメダリストでTOKYOオリンピックでも期待されている選手だ。

成長を目指して、2018年から一人で米国に武者修行に行っている。

現地での映像を見せていたが、泳ぎ終わった時にコーチから調子を聞かれ 「awful」と答えた。普通、(It’s really) bad. Worse. Not good. あたりの返答になるが、スパッとawful と出てくるあたり、聴感/音感や語学習得センスが相当良いのだろう。

 

語学学習に聴感/音感は大事だ。小さい時から海外の音楽を聴いてフレーズに馴れていることも後に大きくプラスになる。

例えば、「Dancing in the Moonlight」と何回も歌詞で聴いていて「Dancing ‘under‘ the Moonlight」と誰かが言ったら、すぐに間違いと分かる。意識していなくても身体で覚えているからだ。

ちなみに「under the moonlight」 というusage(使い方)はあるが、dance の後には使わない。このように英語には我々日本人が考えるようなルールが無いので、丸ごと身体で覚えていくことが大事だ。

 

guzbloom

 

 

木村選手のドキュメント(東京ガス提供)

https://www.tokyo-gas-2020.jp/people/blind_swimmer/