家の裏に金柑の木がある
5歳の時、お婆ちゃんにねだって買ってもらった
今は3メートル程の大きさになり、
近所の虫の巨大ハブ(基地)となっている
昼間はハチやら蝶やらが花の蜜を求めて群がり、
さらにそれを狙う鳥がやって来て大騒ぎだ
昼時になると、そこからホバークラフトのように浮き上がってくる、まん丸に太ったハチがいる
嫁が屋上で干物をしていると、一定距離を保ってしばらく上を旋回している
大きい羽音がブーンと聞こえるのと
豚のように太っているため
ブンブンさんと勝手に呼んでいる
ブンブンさんは太り過ぎていて
まるで空飛ぶキウイ状態である
ブンブンさんは、最近調べてクマバチという種類だと分かった
ハチの中でもフレンドリー(?)な種類で、オスは刺さないそうだ
嫁の何に興味を持ったのかわからないが
嫁曰く、この豚のような蜂が友好的なシグナルを彼女に発しているそうだ
嫁を観察した後は、家の反対側に猛スピードで飛んでいく
ブンブンさんの寿命は1年だそうで
最初に登場してからもう5年になる
毎年、後継者が同じ顔形で登場するので区別がつかない
嫁への熱い視線はどう引き継いでいるのだろうか
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嫁と友好関係を結んでいる虫は他にもいる
玄関脇に毎年秋になるとポンポン菊が咲く花壇があり
そこに3年前からバッタが現れるようになった
バッタさんはいつの間にか嫁と信頼関係を結び、
菊の葉から彼女の膝あたりに飛び乗ってくるそうだ
そして、また葉に飛んで戻るらしい
昨年はおんぶして3匹で登場した
にわかに信じ難い話だが、もし彼女の話が本当ならば
虫に信頼や友好という感情があることになる
しかもそれが毎年引き継がれているとしたら驚きだ
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コロナ環境下で仕事していると、真面目に働いている自分が何に向かっているか分からなくなる
そんなとき、こんなどうでもいい日常に触れるとホッとするものだ
guzbloom