────力が、欲しいか?



ある日Amazonがそう呟いた。



気がした。
いや一応ね?こいつそんなアレなのか可哀想だなぁって変な誤解はされたくないからさ?一応ね?一応日本人平均はクリアはしているけどさ?
男に生まれたからにはプライドっていうかなんかこう、さ?もうちょい長ければなーとか太ければなーとかさ?
銭湯で前を隠さず堂々とタオルをスパーン!と肩にかけて闊歩したかったりするじゃん?

まぁワシ生理的に銭湯とか大衆浴場行かないんだけどさ。

まぁなんか男ならではの見栄みたいなのってある訳よぉ。

そこでAmazon見てたらコイツが出てきたからどんなもんなのかなぁと興味本位でほしい物リストに入れてたって訳☆



で、早速続きというか、完結編である。



前回無事に挿入が完了し衰えない吸引力に驚愕しつつもレベル3に到達し、まだいけると思った私はレベルがもう一段階ある事に気付き────そしてそっと+ボタンを押した。



ブォオオオオシュゴオオオオオオ



ガボッガボッジュボッ




スポンッスポンッ




?!







ギャァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!!






──────君は、上からキンタマの裏側を見た事があるかい?





よっくぼーうもーれーべーるーあげーればー
ちょっとやそっとじゃーみたせないけれーどー



そう、レベル4にしたその瞬間、刹那────。
空気が抜けるのを防止する為に根元を指でグッと抑えていたにも関わらず、その僅かな隙間から

──────キ  ン  タ  マ  が  吸  い  込  ま  れ  た  の  で  あ  る  。

図解するとこうである。





これが







こう!


こう!!!


声にならない叫び声をあげ、ベッドに1人バックドロップのように倒れ込みパニックを起こした私はなんとかスイッチを切ろうとするもマイナスボタンを押しちょっと吸引力が落ちただけでキンタマが抜ける気配は全く無い。




──────みるみる真っ赤になっていくOh,My Golden Ball.




『俺はこのまま運ばれてしまうのか・・・』


脳裏に 最悪 の二文字が浮かぶ。

説明書をちゃんと読んでいなかった俺はなんとか勘で空気を抜くボタンらしきボタンを押した。




シュー




空気が抜けた!!!


と思ったら!!!




シュゴオオオオオオ


なんで繰り返すんだよ!!!!!


そう──────何故か空気を抜くボタンは予期せぬピストン運動ボタンだったのだ──────。

いらないいらないいらないそんな機能いらないよ?????


助けてくれ。


こんな格好で死にたくはない──────。


この間実に10秒足らずの出来事である。


一刻も早くキンタマを救い出さねば。


とりあえず物理的に挿入口のゴムパッキンを外す事に成功したが、ただでさえ竿一本通るのがやっとの伸びもしない挿入口からどうやってこの状況を脱しろと言うのだ──────神よ。




──────正直ここからは本当によく覚えてはいない。とにかく、とにかく必死だったのだ。

涙目になりながらなんとかキンタマ達を救い出し、有り得んぐらいしょんぼりしたおちんちんをしばしぐったりして眺めていた。


男性諸君ならわかるだろうか、野球ボールがキンタマにヒットして"上がってる"あのめちゃくちゃ苦しい感覚を。




あの感覚が取れた後も小一時間程続いたのだ。




そして少し落ち着いた頃、私は泣きながらローションが付いたおちんちん真空ポンプをお風呂場で洗ったのであった──────。


今もおちんちん真空ポンプは何事も無かったかのように、クローゼットで、次の、出番を待っているのだ──────。