これが
こう!
こう!!!
声にならない叫び声をあげ、ベッドに1人バックドロップのように倒れ込みパニックを起こした私はなんとかスイッチを切ろうとするもマイナスボタンを押しちょっと吸引力が落ちただけでキンタマが抜ける気配は全く無い。
──────みるみる真っ赤になっていくOh,My Golden Ball.
『俺はこのまま運ばれてしまうのか・・・』
脳裏に 最悪 の二文字が浮かぶ。
説明書をちゃんと読んでいなかった俺はなんとか勘で空気を抜くボタンらしきボタンを押した。
シュー
空気が抜けた!!!
と思ったら!!!
シュゴオオオオオオ
なんで繰り返すんだよ!!!!!
そう──────何故か空気を抜くボタンは予期せぬピストン運動ボタンだったのだ──────。
いらないいらないいらないそんな機能いらないよ?????
助けてくれ。
こんな格好で死にたくはない──────。
この間実に10秒足らずの出来事である。
一刻も早くキンタマを救い出さねば。
とりあえず物理的に挿入口のゴムパッキンを外す事に成功したが、ただでさえ竿一本通るのがやっとの伸びもしない挿入口からどうやってこの状況を脱しろと言うのだ──────神よ。
──────正直ここからは本当によく覚えてはいない。とにかく、とにかく必死だったのだ。
涙目になりながらなんとかキンタマ達を救い出し、有り得んぐらいしょんぼりしたおちんちんをしばしぐったりして眺めていた。
男性諸君ならわかるだろうか、野球ボールがキンタマにヒットして"上がってる"あのめちゃくちゃ苦しい感覚を。
あの感覚が取れた後も小一時間程続いたのだ。
そして少し落ち着いた頃、私は泣きながらローションが付いたおちんちん真空ポンプをお風呂場で洗ったのであった──────。
今もおちんちん真空ポンプは何事も無かったかのように、クローゼットで、次の、出番を待っているのだ──────。
完