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雑話45「アプサント」

マネやドガの絵に出てくるアプサントというお酒。


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エドガー・ドガ「アプサント」1876年


安価だが毒性が強く、貧困層の労働者階級や芸術家たちが愛飲したため、身を滅ぼした者も多かったと言うイメージを持たれがちですが、実際にはどのようなお酒だったのでしょう。


フランス語のアプサントは、日本ではアブサンと呼ばれていて、ニガリヨモギ、アニス、ウイキョウ等を中心に複数のハーブ、スパイスが主成分の薬草系リキュールの一つです。


実は現在でも、フランス・スイス・チェコ・スペインを中心にヨーロッパ各国で作られています。


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ぺルノー社のアプサント、アルコール度数は68度とあります。


アルコール度数が高くて、70%前後のものが多いのですが、中には89%を超えるものもあります。


薄く緑色を帯びていて、水を加えると非水溶成分が析出して、白濁します。


アプサントをそのまま飲むこともありますが、アルコール度数が高いので、薄めて飲んだり、角砂糖に垂らして食べたりする方法が知られています。


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アプサントとアプサントスプーン、このスプーンの上に角砂糖を乗せ、その上から冷水をかけて飲むのが伝統的な飲み方です。


しかし、このアルコールが危険であるとされたのは強いアルコール度数のせいではなく、飲むと幻覚等の向精神作用を引き起こしたと言われているからです。


印象派の活躍した19世紀のパリでは、フランス軍が戦場から持ち帰ったアプサントは、バーやビストロ、カフェ、キャバレーで大変人気となり、午後5時は「l’heure verte (緑の時間)」と呼ばれるほどでした。


アプサントは貧困層に限らず、あらゆる社会階層で人気で、その消費量はワインの7倍以上でした。


そのお陰で多くの中毒者を出しましたが、それは同時に常軌を逸脱した犯罪に結び付けられることにもつながったのです。


アプサントの向精神作用は、アプサントに含まれるニガリヨモギの香味成分であるツヨンによって引き起こされるとされ、20世紀初頭にはスイス・ドイツ・アメリカなどでその製造・流通・販売が禁止されました。


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スイスのアプサント禁止のポスター、スイスではなんと憲法でアプサントが禁止されました!


その後、WHOがツヨン残存許容量が10ppm以下(ビター系リキュールは35ppm以下)なら承認するとしたため、製造が復活し、スイスでも2005年に解禁されました。


実は、この悪名高いアプサント、日本ではニガリヨモギ抽出物が食品添加物として使用が許可されていたので、一般市場に出回っていました。


有名なのはこのお酒を商品化したぺルノーですが、サントリーもかつてヘルメス・アブサンという名前で製造販売してました。


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サントリー ヘルメス・アブサン


アプサントが世界的に解禁となった現在では、日本にも様々なアプサントが輸入されているようで、ネットで見る限りでは値段的には2000円台~3000円台のものが多いみたいです。


飲むとやはり強烈らしいので、お酒の弱い方にはお薦めできませんが、酒豪を自称する方なら話のネタに飲んでみるのも面白いかもしれませんね。