雑話180「春のNYオークション結果報告」 | 絵画BLOG-フランス印象派 知得雑話

雑話180「春のNYオークション結果報告」

GW中にNYで開催されましたオークションの結果をご報告いたします。


今回は、サザビーズで最も高額な落札予想価格をつけたセザンヌの静物画が、この春のオークション全体で最も高額な作品となりました。


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ポール・セザンヌ「リンゴ」1889-90年

※約41億6千万円で落札

セザンヌの「リンゴ」の落札予想価格は、2500万ドルから3500万ドルでしたが、実際には予想を超える3700万ドルまで競られました。


落札者はこの落札価格のほかに、サザビーズに支払う売買手数料を支払う必要があり、購入金額は約4160万ドル、日本円にして約41億6千万円となりました。


一方、クリスティーズの最も高額な落札予想価格をつけたスーチンの肖像画は、あまり盛り上がりませんでした。


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シャイム・スーチン「若い菓子職人」1927年頃

※約18億円で落札

最低の落札予想価格である1600万ドルでハンマーが叩かれ、購入金額は約1800万ドル、日本円にして約18億円となりました。


それでも、この肖像画は、スーチンの作品としては、オークションで取引された中で歴代最も高額な作品として記録に残ることになりました。


その他の注目作品としては、サザビーズに出品されたモディリアニの「アマゾン」を取り上げましょう。


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アメデオ・モディリアニ「アマゾン」1909年

※約26億円で落札

この初期の肖像画の落札価格は、クリスティーズで最も高額だったスーチンの「若い菓子職人」よりもさらに高額の約2592万ドル(手数料含む)、日本円にして約26億円でした。


これは、今回のオークション全体でセザンヌの静物画の次に高額な作品となりました。


比較的小粒の作品が多かったこの春のオークションでしたが、成績はサザビーズ、クリスティーズともに良かったようです。


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セザンヌの「リンゴ」を競売中のサザビーズの会場

サザビーズの売上は合計で約2億3000万ドル余りで、全作品の落札予想価格を合計した額とほぼ同じでした。


クリスティーズの売上総額は約1億5800万ドルで、サザビーズよりも少なかったのですが、落札予想価格の合計の90%に達し、2006年以来の好成績となりました。


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スーチンの「若い菓子職人」を競売中のクリスティーズの会場

また、今回のサザビーズのオークションには、35カ国から参加者があったとのことです。


中でも、南アメリカやアジアからの参加者が過去最高となり、美術市場の国際的な広がりを実感させられました。今後も、国際的なマーケットを持つ美術品の取引がますます活性化していくことでしょう。