雑話124「オークションの目玉①・・・『カード遊びをする人』」 | 絵画BLOG-フランス印象派 知得雑話

雑話124「オークションの目玉①・・・『カード遊びをする人』」

もうすぐ待ちに待ったゴールデン・ウィークですね。この時期はまた美術業界にとって、一大イベントである春のオークションの季節でもあります。


そこで、今週から2週にわたり、春のオークションの注目作品について取り上げてみたいと思います。


最初の作品は、クリスティーズに出品予定のセザンヌの「カード遊びをする人」です。


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ポール・セザンヌ「カード遊びをする人」1892-96年

セザンヌがカード遊びをする人たちを描いた一連の作品は、美術の教科書などちょっとした美術の本なら、まず載っているような非常に有名な作品です。


今回出品されるのは、この作品のために水彩で描かれた習作で、人物も2人のうちの右側の人物のみ描かれたものです。


実はこの作品の出品に際し、とてもいいタイミングで美術業界にビッグニュースが駆け抜けました。


今年の2月、昨年末にカタールの王室が「カード遊びをする人たち」の1点をなんと2億5000万USドル以上で購入したというニュースが流れたのです。


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ポール・セザンヌ「カード遊びをする人たち」1895年

※史上最も高価な絵画となりました

セザンヌの同名の作品は全部で5点ありますが、今回のもの以外は世界の名だたる美術館に所蔵されていて、唯一個人所有であったこの作品は以前から注目されていたそうです。


さて、今回ついた2億5000万ドル、今の為替レートで約202億5000万円という驚異の価格は、2006年に記録されたジャクソン・ポロックの「No.5」の1億4000万ドルを1億ドル以上上回る、史上最も多く支払われた絵画の金額となりました。


このニュースが、3ヵ月後に開かれるオークションの目玉作品の売却関係者を喜ばせたことは言うまでもないでしょう。史上最も高額な作品の習作につけられた落札予想価格は、1500万ドル~2000万ドル、約12億円~16億円です。


これは、今回のクリスティーズに出品された作品の中で、最も高額な落札予想価格ですが、これが高いのか安いのかはオークションの結果ではっきりするでしょう。


興味深い結末は、オークション終了後、すぐにメディアを通じて皆さんのお耳に入ることと思われます。もちろん、このブログでもその件も含めた春のオークションのご報告を帰国後にお伝えする予定です。お楽しみに!