雑話47「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール展」 | 絵画BLOG-フランス印象派 知得雑話

雑話47「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール展」

現在、兵庫県立美術館で開催中の「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール展」を見に行ってきました。


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ヴィンタートゥール美術館 本館


この展覧会はスイス北部の小都市であるヴィンタートゥール市の美術館所蔵の作品群で構成されていますが、その美術館はスイスで第4の規模のコレクションを誇っているそうです。


そのコレクションは今までスイス国外に大規模に貸し出されたことがなく、今回来日した作品は全て日本初公開だとか。


展示は19世紀から20世紀のヨーロッパ近代美術で構成されていて、当時主流のフランスの作家をメインに、ドイツや自国スイスの作家も紹介されています。


この中で最大の目玉作品はやはり展覧会のポスターにも使われているゴッホの「郵便配達人 ジョセフ・ルーラン」でしょう。


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ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「郵便配達人 ジョセル・ルーラン」1888年


ゴッホらしい大胆な筆致で、これまた彼らしい原色の黄色をバックに描かれているのは、アルル時代に親しくしていた知人で何度もモデルになっている夫妻の夫です。


もう一つ目玉作品を挙げるとしたら、ルソーの「赤ん坊のお祝い!」が面白いかもしれません。


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アンリ・ルソー「赤ん坊のお祝い!」1903年


モチーフは有名な熱帯雨林の場面ではありませんが、真ん中に大きく描かれた赤ん坊は赤ん坊らしからぬアンバランスにたくましい手足や無邪気とは程遠いしかめっ面を与えられて、ある意味ルソーらしい作品と言えるでしょう。


また、今回の展示では日本ではあまり知られていないスイスの作家たちが数多く紹介されています。


個人的に気になったのは、スイスの国民的画家であるフェルディナント・ホードラーの「自画像」です。


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フェルディナント・ホードラー「自画像」1916年


単調に仕上げられたバックとは対照的に、作家自身の顔の部分は顔の造作や皺などが様々なタッチで描き込まれてかなり複雑な画面になっています。


この笑顔ともしかめっ面とも言えないような表情を持つ自画像は、正方形の画面の中心に頂点が来る正三角形の構図の効果と相まってかなり印象深い作品です。


展覧会の全体的な印象としては、ルノワールやピカソなど有名な作家の作品も多数ありますが、中程度のものが多いので、オルセー美術館展などと比べるとどうしても地味な感じになってしまいます。


しかし、この機会を逃すとスイスにまで出掛けないと見ることができないかもしれませんし、地味な分、美術館も比較的空いているようでゆっくりと鑑賞することができました。


ヨーロッパのメジャーな美術館の所蔵作品を一通り見たという方や、落ち着いて作品を堪能したいという方にはお薦めできる展覧会です。


”ザ・コレクション・ヴィンタートゥール”

スイス発 知られざるヨーロッピアン・モダンの殿堂

http://www.collection-winter.jp/

【神戸展】

兵庫県立美術館

2010年10月21日(木)~12月26日(日)

その後、長崎・栃木を巡回予定