雑話23「印象派の次の世代① 後期印象派」
自然を捉えるために革新的な手法を導入した印象派も、その次の世代の作家にとっては乗り越えるべき旧来の芸術となりました。
そうした世代の中で良く知られているのは、後期印象派と呼ばれている芸術家たちで、代表的な作家としてセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホがいます。
ポール・セザンヌ「オレンジとリンゴ」
彼らは、画業の初めは印象派と共に活動をしたりしながら、印象派の影響を受けながらも、最後は独自の画面を作り上げました。ですから、後期印象派に共通の技法はありません。そこで、簡単にそれぞれの画風を紹介してみましょう。
セザンヌにとって、印象派の目指した「つかの間の時間」は頼りないものと感じられました。彼は過去の巨匠たちにも負けないような堅牢な画面を目指したのです。
ポール・ゴーギャン「イア・オラナ・マリア」
ゴーギャンもセザンヌと同じく印象派のグループと行動を共にした時期もあり、後半の印象派展にも出品していますが、最終的に彼のたどり着いた絵画は一言で言えば、精神化された世界となりました。
ヴィンセント・ファン・ゴッホ「アルルの跳ね橋」
ゴッホは上記の2人とは違って印象派のグループと行動を共にしたわけではありませんが、パリに滞在中に印象派の絵画から多くのものを学んでいます。しかし、彼は他に日本から来た浮世絵や新印象派の点描画、同僚のゴーギャンなどを影響を受け、彼独自の自由で大胆な表現を開発していきました。


