雑話11「誰が本物と決めるのか」
画商だとわかるとよく「絵の鑑定が出来るのか?」と聞かれます。
売れそうかどうかを判断するのなら画商として大切な能力の一つですが、画廊や画商が本物かどうかの判断を下しても、それはあくまでも個人的な意見でしかありません。
美術業界で絵の真贋の判定が正式なものとして認められているには、公的に認められた鑑定人もしくは鑑定機関によるものでなければならないからです。(下に続く↓)
ルノワールの鑑定書の例
公的な鑑定人や鑑定機関と認められるには、鑑定が出来るだけの能力があると認められるだけの根拠がある必要があります。
ですがら、そのほとんどが芸術家の家族であったり、取引の良くあった画廊であったりするケースがほとんどです。
例えば、モネやルノワールの鑑定は現在、19世紀末に創業し世界規模でビジネスを展開する画商であり、また印象派の研究でも知られるウィルデンシュタイン商会が行っています。
日本では遺族が鑑定をしているケースもありますが、ほとんどの著名な作家の鑑定は東京美術倶楽部という画商の業界団体が鑑定を行っています。
人気作家の鑑定はうまくやれば、結構な収入源になる反面、間違えば作品そのものの価値に大きく影響してきますし、下手をすると損害賠償を請求される事もありますので、いつもデリケートな問題を含んでいると言えるでしょう。
