夜も遅く、静かな院内。
そんな中、自動ドアが開いて彼女の両親が
慌てて走ってきた。
とにかく、自己紹介をしてから
事故の状況を説明した。
どんな経緯で、どーなったか。
彼女は今、どんな状況か。
事故の話をしているうちに…
母親の目には涙があふれてきた。。。。。
その姿を見て、僕は…
僕は後悔の念に襲われる。。。。。。
あの時僕が…
彼女を呼んでなかったら…
父親は冷静。
一家の大黒柱はやはり、こういう状況でも
冷静に物事を捉えてる。
心の中では動揺していたのかもしれないけど…。
一通り話を終えて、僕と上司は廊下に立っていた。
母親:『座ってていいんだよ?』
僕:『いや、大丈夫です。お気遣いなく。』
そして立ち続けて30分が過ぎた頃…
上司:『すみません・・・ちょっと・・・横にならせてもらってもいいですか?』
その言葉を言い終わると、上司は廊下の椅子に横になった。
顔は真っ白になっていた。
一通り事故の状況も説明して一段落ついて
緊張の糸が切れたのか…具合が悪くなったみたいだ。
上司も助手席で、少なからず事故の衝撃は受けてる。
彼女の父親が処置室に行って話しをして
上司も運ばれていった。
しばらくして…
母親:『疲れるから座っていいのよ?』
僕:『いや、大丈夫です。』
父親:『君はどこか痛いとこはないの?』
僕:『左手がちょっと痛いだけなんで、大丈夫です。』
父親:『なんで早く言わないの?こーいうのは黙ってても意味ないんだよ?君も診てもらいなさい』
そー言うと、再度処置室に顔を出しに行ってくれて
僕も診てもらうことになった。
処置してもらって、レントゲンを撮った。
そしてまた、廊下で3人。
彼女の父親が車に乗せてるワンコロちゃん様子を見に行った。
泣き出しそうな母親・・・・
母親:『今日って付き添い居なきゃだめなのかしらね…?もし、あれだったら付き添ってもらっていいかしら?犬居るから…』
僕:『僕は全然いいですよ。大丈夫です。』
母親:『そーしてもらうと助かります。』
父親も戻ってきた。
沈黙の中…処置室のドアが開き
彼女がベットで運ばれていく。
彼女は両親に手を振った。
心配かけないようにのせめてもの行動だったんだと思う。
やはり、頭を打ってるので今日は誰かが付き添わないといけないみたいだ。
僕:『あ・・・僕付き添います?』
次の瞬間…
父親:『何を言ってるんだ?女の人が付き添うのが常識だろ?君が付き添う必要はないだろ?!』
静かな病院に、一際大きな声が響いた。
彼女には、母親が付き添った。
そして、取り残された僕と…彼女の父親。
父親:『家はどこなんだ?車で乗せていくか?』
社交辞令なのは分かった。
僕なんて、乗せていきたくないだろう。
そんな気持ちも伝わってきた。
僕:『ありがとうございます。でも、タクシーで帰れますので…。』
父親:『そうか。』
そう言って、父親は帰っていった。
僕は、受付に言って痛み止めの薬を受け取って
お金を支払った。
外はもう明るくなっていた。
身も心も疲れたのか…
僕は正面玄関を出てすぐのとこに腰を落とした。
胸ポケットからタバコを一本取り出して…
ライターで火をつける。
スーっと吸い込み・・・
明るくなった空を見上げながら
タバコの煙を一気に吐いた。
俺は…俺はこれからどうしていこうか。。。。。