プレイバックシリーズ その1 小路の名称

(2016年二回にわたって掲載 それを一部修正して再掲)

 畑に遊歩道を通したいと造成中である。桃の木から桜の木へ至る短い細道であるが、そこを歩く僅かな時間でも、素敵な異空間を提供できないかと。その道に相応しい素敵な名前があればいいなと考えてみた。

奈良の春日大社から新薬師寺に至る小道は、”ささやきの小径(コミチ)”と呼ばれている。実に爽やかな響きである。木漏れ日を浴びながら木のトンネルをくぐって歩けば、いろんな思いが駆け巡る。森からのささやきも聞えて来そうな…。近くに住んでいた志賀直哉が毎朝散歩して、この名を付けたとも言われているそうな。

 

 畑には、桃や桜の木があるので「桃(トウ) 桜(オウ)の小径」ではと作ってみたが、長ったらしくってピンと来ない。Peach Cherryでももう一つ。

そこで 「道」 「通り」に該当する用語を調べてみた。

 12個の英単語が見つかった。

① Boulevard (仏) (パリの)広い並木道、大通り アメリカの地名にも付けられている。

② Avenue 大通り、本通り(大邸宅の本通方玄関までの)並木道

③ Way 道、道路 <今はroadの方が普通>

④ Road (車の通れる)道路 町から町へ続く公道

⑤ Street 通り、街路 両側に建物が立ち並ぶ道

⑥ Trail (人、動物が通って出来た)道 獣道

⑦ Lane (建物、塀、田畑の) 小道

⑧ Alley (庭園、公園などの)小道 車の通れない狭い通り 

 これもいいが 何となく雰囲気がでない。テニスのシングルのサイドラインとダブルスのサイドラインの間の区域(幅1.37m 長さ11.885m)にこの名前が使われている。

一方のAlleyの端(ベースラインの内側)から 相手コートのAlleyへ打ち込むのが 結構難しいがこれがショットの基本だとか。テニスプレイヤーには、重く参じる用語である。

 

⑨ Path 小道、細道(人、動物が歩いて出来た道

⑩ Pathway 小道、通路

⑪ Narrow 山間の細道

⑫ ラビリンス (labyrinth) 庭園中の迷路

 ギリシア神話に出て来る怪物ミノタウロスがクレタ島の王ミノスによって閉じ込められたという迷宮から来た言葉であるが、庭園の中の迷路にも使用されるらしい。

 

まだ完成していない細道の傍らにポツンと野生の花が咲いていた。調べてみると どうやら コレオプシス(ハルシャギク)ではないかと思われる。野生にしては綺麗な花である。

 

 

ところで話しは変わるが、

「桃の木」 「桜の木」ともそれぞれ次の意味を持つそうである。

○ 桃 邪気を祓い不老長寿を与える

○ 桜 諸行無常、開花のみならず散って行く儚さと潔さも人の心をとらえる。

 

桃にしろ桜にしろ、我が国の歴史を通して我々日本人の精神構造に深く根づいているようにも見える。

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私がトライしている菜園内の小道は、2本の直線の交差で構成されており、至って単純で迷うような道はない。

まずは、小道の完成を急ぐことにしよう…小道の名前は、完成を見てから改めて考えたい(と当時考えていましたが)。

いまだ、小道が完成していない。名前もまだない。(…結局 命名せずにその畑を終わりました)

 

奈良公園に「ささやきの小径」という素敵な名前を持つ小径があるのを前記したが それは英語でなんと表現されるのだろう。Whisper Road 或いは Whisper Alley とでもいうのだろうか?

ささやきの小径は、春日大社から高畑にぬける散歩道。両側を木に囲まれた、ひっそりとした静かな道で、カップルなど静かにささやくのに雰囲気のでる小径とのこと。

一度通ってみたいと思っていたが実現せず。時間がなかったわけではない、ささやく相手に恵まれなかったのである。