家庭教師の先生ほぼ全員が、「計算ミスが多い」という問題点に出会ったことがあると思います。そのミスを減らすための手法として、今回は「検算」を紹介します。 先生たちはほぼ全員が「検算」の存在を知っていて、「検算してねー。」と生徒に伝えるだけで、やり方まで教えていないケースは多いと思います。
そこで、今回は「検算のやり方そのもの」と「検算のやり方を伝えることの大切さ」についてふれていきたいと思います。
ここからは、検算方法の"逆算"、"概算"、"再計算"について解説していきます。
逆算とは
順序を逆にしてあとの方から前にさかのぼって計算していく事です。
例えば
『□+1=3』なら『□=3-1=2』
『3×□=18』なら『□=18÷3=6』
加法(+)は減法(ー)で計算、乗法(×)は除法(÷)の計算をし確認するといった方
法です。これは、答えが間違っていないか一番簡単に確認する事ができます。
概算とは
おおまかな数字で計算していく事です。
それだけ聞くと、なんで、概算をする事が必要?と思ってしまう子が多いと思います。
そこで、具体例をあげて説明していきます。
例えば
”一個98円のトマトを19個買ったら、いくらにな りますか?”といった問題があります。
検算で、再度計算してみるのもいいとは思いますが、時間がかかってしまうのと同じ計算ミスをしてしまう可能性がありミスを発見しにくいです。
そこで、1個98円を100円で19個を20個で計算してみます。すると、答えは”2000円”。これで、答えのおおよその金額の見当がつきます。おおよその数と自分の答えとが、かけ離れた答えなら間違いと気づく事ができ、ケアレスミスをなくす事ができます。
再計算とは
再度、同じやり方で問題を解いてみることです。
問題を解き直す時は、新しい問題を解くつもりで、一から解き直し、最初に解いたものと一致しているか確認します!そして、解き直したものと、最初の答えが一致すれば正解となります。
そこで、答えが一致しなかった場合は、最初にといた途中計算も比べて見直し、ミスを発見します。
※途中計算を消してしまう生徒がいるので、「再計算するのに残しておくといいよ~」と一言、指導してあげるといいと思います。
次に、"逆算"、"概算"、"再計算"以外で、生徒に教えてほしい簡単な検算二つです。
一つ目は、12356+87910+11111とあった場合、6+0+1=7、下一桁だけ計算してみて、下一桁の答え7と違っていれば、間違いと気付けます。これはとてもお手軽です。
二つ目は、連立方程式で答えがでた時、必ず答えを代入してみる。当たり前にやっているだろうと思っていても、生徒は、答えがでたら終わり、と思ってしまっている事が多いので、答えがでたら、代入して確認してみると一言加えて指導してあげてください。
ここまでの検算方法は、先生にとっての「当たり前」でも、生徒は知らない・知っているフリの子が多いです。なので、検算についてただ「検算しといてね!」と伝えるだけで終わらせるのではなく、検算の手法も書いて教えることが大切になります。
では、ここからは知っておくと楽しい豆知識を紹介します
例えば
「345+456+568=1369」という式があります。
これを検算する場合、再計算では時間もかかるし・・
そんな時
再計算をしなくても確かめる方法があるんです。それは、各桁の数字を足し合わせることによって検算ができてしまう方法があるんです。これから、具体的に解説していきたいと思います。
①345を3+4+5=12→1+2=3
②456を4+5+6=15→1+5=6
③568を5+6+8=19→1+9=10→1+0=1
①の3と②の6と③の1を同じように一桁まで足して3+6+1=10→1+0=1…④
次に、答えの1369も同じ方法で一桁になるまで計算していきます。
1369 →1+3+6+9=19→1+9=10→1+0=1…⑤
すると
④=⑤=1
④と⑤の答えが一緒になっていれば正解になります。
なかなか、ここまでの検算を使いこなすのは難しいと思いますが、生徒が興味を持つキッカケになるよう紹介してもらうのもいいかもしれませんね