「神はまだお見捨てにはならない」
やっぱりね、落ち込むロミオを見たら助けずにはいられないんですよ、誰だって
泣きながら神に祈るロミオに、悲しい結末を知っている観客ですら一緒に祈らずにはいられない ロミオの幸せを
ロレンス神父がここではしごを外さなかったのは、結婚式をあげた責任感もあるのだろうけど、やっぱり心からロミオを応援したかったからじゃないかなって思います
「ひばりの歌声」
悪夢にうなされ飛び起きるロミオ
隣のジュリエットを腕枕している左腕で抱き寄せ後ろ頭を手で引き寄せ髪にキス…
バルコニーでもこの後ろ頭引き寄せキス出てきましたね
(後ろ頭を大きな手で引き寄せるとこがちょっと強引で、めちゃめちゃドキドキするんです)
ひばりの鳴き声が聞こえてきて、ロミオは絶望の表情で歌い始める
この表情がまさに絶望の教科書みたいな切なさで
すざまじい色気と
横顔の美しさ
どんな芸術家が作った彫刻より美しい造形
すごく耽美で...
まさに国宝級の美しさでしたね🥺
(国から補助金を出して保護すべきだと思う)
この横顔を堪能したいけど、ここで双眼鏡を上げ下げしすぎるのはちょっとはしたない気がして、少し前の死が踊っているシーンからずっと双眼鏡を構えていました
(基本オペラグラスで観る人の設定)(淑女のたしなみ)
「あれはナイチンゲールの鳴き声よ、まだ夜なんだから行かないで」
そうすがるジュリエットを振り切りつつまた戻ってきて
「最後にキスを」
このキスが結構長くて乳母の気持ちでハラハラしました🤭
「君の胸の鼓動で目覚める」って歌詞も素敵ですよね🥹(私も夫のいびきで目が覚めることはあるけど)
「彼女なしの人生」
ふらふらとマントバの酒場をさまようロミオ
ヴェローナではみんなから愛されて無双していたけどここではよそ者、ちょろいお坊ちゃん扱いされてワルどもに手玉にとられる
どんな状況になってもジュリエットを愛し続けるって言ったけど家柄お金、いろんなものに守られてきた自分…ここで現実の厳しさを痛感したんじゃないかな
ヴェローナ以外では生きていけない自分、この心もとなさが死への決断を加速させてしまったのかもしれない
そこでベンヴォーリオと再会して喜んだのもつかの間、ジュリエットが亡くなったと伝えられる
(ベン、わざわざマントバまできたのにねぎらいもそこそこにジュリエットの話ばかりされて💦
亡くなったことを伝えて慰めようとしたら「一人にしてくれ!」って言われて帰らされるっていう…不憫すぎる💦)
「ロミオの嘆き」
ジュリエットがいないなら生きていても仕方ない、死んでジュリエットの元へ行こうと薬売りの持つ毒薬に必死で手を伸ばすロミオ
ひらりひらりと美しく、必死に
この薬は毒ではなく愛するジュリエットの元へ導いてくれる天使の翼だと歌いながら
なのにいざ薬を目の前に差し出されると一旦躊躇して恐れおののくんです
そしてもう運命からは逃れられないんだと悟り薬を手にする
この一瞬のためらいが本当は死にたくないんだなと思わされて
ここから「ロミオの死」につながる霊廟へ
今さら気づいたんだけど「僕は怖い」や「ロミオの嘆き」など死とロミオのダンスシーンを振付した小㞍健太さんはフィギュアスケートの表現指導もされている方なのですね
めちゃめちゃオペラ座の怪人じゃん!って驚いたかなだいのオペラ座プログラムの振付の一部も担当していらっしゃいました
たくさんのアイスダンスカップルがオペラ座を滑ってるんだけど、私史上一番オペラ座の怪人でした
前半の公演では霊廟に入ったときからうっとりと陶酔している気がしたけど
梅芸公演の後半では「終わりだ」と歌いだしたときの悲しみが濃くなっていて
死ぬことへの恐怖と葛藤を強く感じました
それがジュリエットの元で歌っているうちに気持ちがどんどん高まってきて
「この薬が導く永遠の国へ」
ビンのふたを投げ捨て薬を飲み干す
一滴も残さぬようにビンを振って
急性の毒に悶えながら愛する人の傍らまで這っていき
恍惚とした表情を浮かべ、最期の言葉「ジュリエット…」と言い残して息絶えたロミオ
7/13のカテコだったかな、「公演が終わってしまうの寂しいって思いながら霊廟で死んでました」っていう咲良ちゃんに「死にたくなかったんだよね、本当は」って言った小関裕太くん
ロミオの嘆きから死への流れの中の葛藤で、当たり前だけどロミオもジュリエットも生きたかった
生きて結ばれたかったんだよね
2人の死を美化しちゃいけない、愛する2人が幸せになれる世界に…
小関裕太くんのメッセージがすごく伝わってくるラストシーンでした✨