舞台ジャンヌ・ダルク鑑賞しました!

私が観たのは東京1回、大阪5回

もうね、すごい舞台だったー、いまだに感動がおさまりません。

110人を超える出演者、客降りで舞台を駆け回るキャスト!

地面(床)が揺れて風が起こるんですよー、通路側の席なんかキャストの皆さんが自分の3㎝ほどの距離をかすめて全速力で走っていく。こんな体験は初めてでした。

 

この舞台の主役、ジャンヌを演じたのが初舞台の清原果耶ちゃん。

初舞台なのにフレッシュと表現するにはあまりにも完璧すぎた…

観劇した皆さんが口を揃えて初舞台とは思えないと言っていた理由が良くわかりました。

最初に村娘の恰好で果耶ちゃんが出てきたときにはまぁなんて華奢で可憐な子だろうと思ったのですが、第一声から鳥肌が立ちましたね。映像で拝見してた時と全然違う、低めで力強い芯の通った発声。活舌のよい通る声に豊かな感情表現を乗せていて。凛とした強さと恐れ迷いに揺れる心を見事に表現していました。数々の映像作品で磨かれた細やかな演技力に舞台人としての表現力が加わるとこんなに人の心を打つんだ…。

甲冑衣装で大きな旗を振り続け、その旗を武器にアクションも、客席をも走り回りながら繊細な感情表現。こんなにもフィジカルを酷使しながら私が観たどの日もムラなく最高水準の演技を見せてくれて、まさに奇跡の存在だと思いました。

舞台の宣伝で小関くんと2人いろんな番組や雑誌のインタビューに出ていたのを観ましたが、「初めての舞台でわからないことだらけだけど精一杯努めます」とすごく謙虚な姿勢だったのが印象的で。とても好感の持てる俳優さんだなと思っていたのだけどここまでのことをやってのけるなんて!豪華な衣装で着飾るような役ではないのに、とにかく美しく崇高で、果耶ちゃんのジャンヌを観ることができて幸せでした。

 

福士誠治さんもかっこよかったー。フランス軍の敵ながらタルボット将軍の色気にくらくら。私的初日の幕間、うわごとのように「タルボットヤバイ、タルボットヤバイ…」ってつぶやいてしまった。ワイルドだけど知略家で、殺陣がまぁセクシー💛

福士さんと言えば氷艶で光源氏の親友頭中将を演じたお人…スケートをするのは小学生以来なのに滑らかなスケートでスケオタを驚かせてくれたあの福士誠治さん。身体能力どうなってるのでしょう、キュンキュンが止まらん…

 

島村龍乃介くんのひたむきな演技も涙を誘いました。アクションもうまいし、イケメーン!!キャスト変更でカンパニーに参加したのは他の方たちより遅かったはず。きっとすごくすごく努力されたんだろうな。小関くんも出演していたスナックキズツキにも出てましたよね。これから色んな作品でお目にかかることと思います。全力で応援していきたいです!

 

そして私が若い頃から憧れていたりょうさん、素敵だった。りょうさんは私が学生のころノンノモデルとして活躍されていてファッションアイコン的な存在でした。涼やかな目元と強烈な個性、媚ない潔さがかっこよくて。私の中ではレディガガ的な立ち位置のお方。

舌を噛みそうなセリフも多いしすごく複雑な役回りで難しい役を見事に演じ切っておられて貫禄を感じましたね。

 

坪倉さんもナチュラルなセリフ回しが良かった!マリー役の山崎紘菜ちゃんも小関くんと賭け恋コンビ観られて嬉しかったです。シャルルが唯一心の内をぶちまけられる存在。邪険にされても側で支え続ける大変な役をけなげに演じ切っていました。

深水さんのアランソン公も迫力だったな。あんながたいのいい屈強な男性が華奢なジャンヌを頼りにしている、改めてジャンヌはすごく大きなものを背負わされているんだというのが視覚的にも印象的でした。岡田浩暉さんも重厚感ある演技が素敵でした。

 

そしてそして、わが愛しき推し!!小関裕太くんよ!!!

初観劇の日、舞台に自分が入り込むというより自分の中にジャンヌダルクの世界が流れ込んでくるような感覚だったのですね。その一番の理由はシャルル7世の「弱さ」

王という特別な立場にいながら自信を持てず面倒ごとを避け、自分が背負うべきものに向き合おうとしない姿。そこにすごくシンパシーを感じたんです。

なぜなら私自身が何をやっても自分に自信を持てない人間だから…本質的なことに向き合うことが怖くて避けてしまうんです。

ジャンヌの手紙に心乱されながらも国王陛下と書いていなかったことにイライラ、どう対処していいかわからず食事を理由に部屋を出ていく、妻のマリーにはしょっちゅう八つ当たり、和平交渉もラ・トレムイユ卿に丸投げ…

喜んでくれるだろうとうきうきしながら戴冠式用のドレスをジャンヌにプレゼントしたのに拒否されて癇癪を起すところなんて身につまされてまるで自分を見ているようでした。「せっかく〇〇のためにしてやったのに」で腹を立てるようなこと、子どもや身近な人に対して私もよく思ってしまうんです…自分が勝手にやっているだけなのに。本当に小さい人間なので💦

でもそんな自分だからこそシャルル7世に共感し、そこを糸口にこの物語が自分事として体のすみずみまで入ってきたというか。すごく刺さる物語になったんです。

そう感じられたのはやっぱり小関くんの心情を明確に可視化するお芝居あってのことなのですね。シャルル7世は臆病で優柔不断なキャラクター、だからこんな行動をするんだというような描き方ではなくて、彼の生い立ちや周りの人たちとの関係性からくる一つ一つの出来ごとに対する感情を丁寧に丁寧にみせてくれる。シャルル7世を観ながら「そもそも性格とは物事に対する心のありようの連続のことなんだ」と思い至りました。

陰キャ、陽キャって言葉があるじゃないですか(私が若い頃はネクラネアカって言ってた)。私自身がそういう言葉で人をカテゴライズ・キャラ付けして自分や他者の心を深く掘り下げようとしないようしていることに気が付いたんです。自分は小心者だから陰キャだからしかたない、他人に対してもあの人はああいう性格だから分かり合えない、そういうものだと思っていて。でも小関くんがシャルル7世の心の動きをクリアにみせてくれたように、私も自分や周りの人の心を丁寧にひも解いていけば…。ジャンヌのひたむきさに心動かされて成長していくシャルル7世のように、私も変われるのかもしれない、いや変えたい。そんな風に思えました。あれからずっと自分の使命ってなんだろうと考え続けています。

 

結局舞台の感想でもなんでもなくただの自分語りになってしまったけど、小関くんのお芝居を観ていると本当にいろんなことを考えさせられるんです。想いを全力で乗っけられる特別な存在。やっぱり小関裕太くんが大好き!