ぐた犬

私は読書好きなのに、どういうわけかぐた夫の蔵書にはあまり興味を示さない。

我が家のぐた犬が、客が来れば大喜びではしゃぎまわり、まるで猫のように体をくねらせるのに、ぐた夫には見向きもしないのと似ている。(へ?)

彼の蔵書に興味を示さない理由はといえば、専門的な本が多くて、私には理解不可能なものが多いし、理解できたとしても、彼の本のタイトルは、ほっんとに面白そうじゃないのだ!

ところが、たま~に気が向いて、嫌々読んでみれば結構掘り出しものがあるんだな、これが。(にやり)


「ものぐさ精神分析ー二番煎じ」もその一つ。

何しろ、タイトルの二番煎じに惹かれて読んだけど、

ものぐさ精神分析
ものぐさ精神分析―二番煎じ
ものぐさ精神分析―出がらし
ものぐさ箸やすめ


というシリーズらしい。

「ぐた夫ちゃん、面白いねえ、この本♪ これの前後はないの?」

「あったけど。。。」

「どこどこ?」

「ぐたちゃん、捨てたやないか」

があああん!(号泣)

そうそう、あたくしって自分の本は絶対に捨てないくせに、ぐた夫の本だけ時々焚書するんですわ。(泣)

あらま、また前置きが長くなってすみませんねえ。。。(巧みに話しを逸らす)



ちなみに本書は昭和55年発行なので、大分古い本なのだが、著者の岸田秀氏は昭和8年生まれ。早稲田大学大学院で心理学を学び、和光大学人文学部教授(発刊当時)となっている。

本の内容は、大学の授業内容などをエッセイ風にまとめ、雑誌などに掲載したものをまとめたもの。
したがって、話題は多岐にわたり、目次を見ても統一感はないのだが、「ものぐさ」という言葉に釣られて、だらだら読み始めたら結構面白かった。

何が面白いかといえば、心理学の先生的な物の見方がちょっと変わっていて面白かった。
それでいて、昔の大学教授にありがちなアカデミックに大上段に構えたところがなく、どこか突き放しているような、気が抜けているような処が新鮮に感じた。
「ものぐさ」なんて形容詞があたくしの好みにピッタリだし、なんともいえないシニカルな脱力感も良い。それでいて、結構きちんと自分の言いたいことを伝えている点は、さすが大学教授である。

私たち一般ピープルは、目前の事例に対して、自分の経験や知能や知恵や感情だけで判断しがちである。
しかし、それらがどこからどのようにして来て、それを判断し対処したのかという心理分析まではなかなか行なわない。
当たり前の事とはいえ、心理学者はすべての物事の原因から結果までを、心理学的に判断する。

こりゃ、しんどいだろう。と思うのだが、ある意味では、頭の中で精神や思考の流れをバーチャルしているわけで、これはゲーム感覚で楽しいだろうな♪と。(笑)

いま読んでも、まったく違和感のない本だが、インターネットやゲームもなかった昭和55年当時、こういう本が出ていたことは驚きである。

と、またあたくしの悪い癖で、抽象的過ぎて、何を言っているかわからないでしょ?とにかく、エッセイの方も話題が多岐に亘っているので、一度にああだこうだと説明できないのだ。(笑)
と笑って誤魔化す。

てなわけで、気が向いたら後半へ続く。

後半へ続く。とあるときは、一応ちびまるこちゃんのナレーション風に想像してください。(笑)

後半へつづく


岸田 秀
ものぐさ精神分析―二番煎じ b-blue