エッセイの魅力はといえば、
旬を得た題材、軽妙洒脱な語り口、豊富な知識と情報...などなど、
さまざまな要素があるでしょうが、
いちばん大切なことは、人間としての魅力だと私は思います。
エッセイには、本人が意識しない素顔が行間ににじみ出てくるもの。
若い方は、あまりご存じないかもしれませんが、
青木雨彦氏はサラリーマン・エッセイストとして人気がありました。
昭和ひとケタ生まれの青木さんはいわば私の親世代。
高度成長期と共に人生を歩んだ世代です。
時代を経ても色褪せない魅力、
それはやっぱり青木さんのシャイで真面目で優しい人柄。
「冗談の作法」という題名が示すように、
青木さんのエッセイには目に見えない間(余裕)のようなものがある。
ひと昔まえの作家はみんなこういう余韻を持っていた気がします。
「夫婦喧嘩は派手にやるべし」
余談ながら、一度も会社をやめようと思ったことのないサラリーマンが、
ぜったい、いいサラリーマンになれないのと同様に、一度も相手のことを「死んじまえッ」とおもったことのない夫婦も、けっしていい夫婦にはなれないような気がする。
物事を見つめる目の柔軟さ、人をみつめる目の厳しさと優しさ。
最近は才気走った若いサラリーマンが多くて、それは青木さん世代の努力の賜物でもあるんだけれど、私は少々疲れ気味^^;。
走っている時の顔はけっして美しいもんじゃない。
がむしゃらに 走ってたんじゃ景色も見えない。
と、走りつかれた人間は思うのです^^;。
にやりと笑える心の余裕。大切にしたいですね。
- 著者: 青木 雨彦
- タイトル: 冗談の作法

