蛇口一体型浄水器に装着することができる浄水カートリッジの性能を偽装して販売することが不正競争防止法違反にあたるとして、損害賠償などを求めた訴訟の判決が東京地方裁判所であった。(東京地裁令和3.3.29)

 

判決は、不正競争防止法違反(2条1項20号)を認めた。

この判決で注目すべきことは、本件表示が偽装表示(品質等誤認表示)にあたるかである。

 

まず、一般的な需要者は、「一般細菌」について専門的な知見を有しているとはいえない。

 

また、本件では、被告表示27のように、除菌の仕組みについて酸素を利用して瞬時に除菌するもので、亜鉛等のイオンが抗菌イオンとして働くなどの仕組みが記載されていることや除菌の一般的な意味などから、

 

被告ウェブページを閲覧して「除菌」などの上記各表示に接した需要者は、被告商品が水道水や井戸水に一般的に含まれる細菌の数を減少させ、また、細菌を除去するものであると理解するといえ、

 

「これらの表示は、被告商品を使った場合には、水道水や井戸水に一般的に含まれる細菌を除去等するという被告商品の具体的な品質・性能についての表示」であり、被告商品がその点において、優れた品質・性能を有すると理解するといえる。

 

しかし、前記イの試験結果によれば、被告商品を装着しなかった場合と比較して被告商品を装着した場合に大腸菌及び黄色ブドウ菌の数が少ないとはいえず、被告商品には、大腸菌及び黄色ブドウ菌を除去等する性能はなかったと認めるのが相当である。

 

そして、「上記の菌は一般的な水道水や井戸水に含まれ得る菌であるところ、それを除去する性能がないのであるから、被告商品は、上記各表示に接した需要者が理解する具体的な品質・性能を有していないというべきである。」

 

以上によれば、「被告商品についての広告の被告商品の品質を誤認させるような表示をしたものであるから、品質等誤認表示に該当する。」とした。

 

後の控訴審判決についてはこちらで

 

 

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