グリーンコープ生活協同組合連合会が立ち上げた東日本大震災復興応援企画を、福島民友新聞が「福島外し」と報じたことから、グリーンコープ連合が名誉毀損により福島民友新聞社に損害賠償を求めた訴訟の判決が福岡地方裁判所であった。(福岡地裁令和2.12.21)

 

判決は、名誉毀損を認めるものであった。

判決内容は以下のようになっている。

 

まず、不法行為における名誉毀損とは、「事実の摘示または意見ないし論評の表明により、表現の対象とされた者の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価(社会的評価)を低下させること」であり、

 

「ある表現における事実の摘示または意見ないし論評が対象者の社会的評価を低下させるかどうかは、当該表現についての一般の読者の普通の注意と読み方を基準として、その意見内容を解釈して判断すべきである。」

 

また、民事上の不法行為である名誉毀損については、その行為が公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的に出た場合は、

 

摘示された事実が真実であると証明されたときは、上記行為に違法性がなく、不法行為は成立しないものと解するのが相当であり、

 

上記真実が真実であることが証明されなくても、その行為者においてその事実を真実と信じることにつき相当の理由があるときには、上記行為に故意若しくは過失がなく、結局不法行為は成立しないものと解するのが相当である。

 

そのうえで、本件記事1及び同2は、原告が放射性物質による汚染を懸念して、平成28年に引き続き平成29年もホームページに掲載した東日本大震災復興企画応援から福島県産の商品を意図的に除いている事実を摘示したものであり、

 

「一般の読者において、そのような行為を行った原告は福島県産の商品に対する不当な偏見を有しており、風評被害を助長している等の否定的な印象を抱かせるものであるから、原告の社会的評価を低下させるものといえる。」として、名誉毀損にあたるとした。

 

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