健康食品「クロレラ」の新聞折り込みチラシの内容が不当であるとして消費者団体が消費者契約法違反を理由に配布差止めを求めた訴訟の上告審判決が最高裁判所であった。(最高裁平成29.1.24)
 
判決は、消費者契約法違反を認めるものであった。
この判決で注目すべきことは、チラシなどの広告配布が勧誘にあたるかのポイントである。
 
まず、事業者等が消費者契約の締結について勧誘するに際し、重要事項について事実と異なることを告げるなど消費者の意思形成に不当な影響を与える一定の行為をしたことにより、消費者が誤認するなどして消費者契約の申込みまたは承諾の意思表示をした場合には、消費者はこれを取り消すことができるとしている(4条1項から3項まで、5条)。
 
ところで、上記各規定にいう「勧誘」について法に定義規定は置かれていないところ、例えば、
 
「事業者が、その記載内容全体から判断して消費者が事業者の商品等の内容や取引条件その他これらの取引に関する事項を具体的に認識し得るような新聞広告により不特定多数の消費者に向けて働きかけを行うときは、働きかけが個別の消費者の意思形成に直接影響を与えることもあり得る」から、
 
事業者等が不特定多数の消費者に向けて働きかけを行う場合を上記各規定にいう「勧誘」にあたらないとしてその適用対象から一律に除外することは、上記の法の趣旨目的に照らし相当とはいい難い。
 
従って、事業者等による働きかけが不特定多数の消費者に向けられたものであっても、「そのことから直ちにその働きかけが法12条1項及び2項にいう勧誘にあたらないということはできないというべきである。」とした。
 
そうすると、B to Cを対象とした電子商取引(EC)サイトないしネット通販サイトにも当てはまることになるだけに注意しなければならない。
 
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