以前、登録美術品制度についてこのようなブログを書いた。
 
文化庁により登録された後、公開予定の美術館に登録美術品を引き渡すにあたり、登録美術品公開契約を締結することになる。
 
登録美術品制度を定めた美術品の美術館における公開の促進に関する法律において、登録美術品公開契約とは、登録美術品の所有者が美術館の設置者に対して登録美術品を引き渡すことを約し、美術館の設置者が美術館において美術品を公開することを約する契約(2条4号)である。
 
登録美術品公開契約は、民法657条の寄託(受寄者が寄託者のために保管することを約してある物を受け取ることによって成立する契約)の要素を含んだ契約となっている。
 
しかし、登録美術品公開契約においては以下の要件を満たすことが求められている。
 
1.5年以上の期間にわたって有効であること
2.当事者が解約の申入れをすることができない旨の定めがあること
 
寄託契約においては、民法662条により契約期間を定めた場合であっても、寄託者はいつでも保管した物の返還を請求することができるが、登録美術品公開契約においては美術品の所有者にそれが認められていない点で異なっている。
 
また、寄託契約は目的物を引き渡すことによって成立する要物契約であるのに対し、登録美術品公開契約は当事者の意思表示のみで成立する諾成契約となっている。
 
美術品の登録手続きなどについては当サイトのこちらが参考になります。
 
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