料理番組で有名な平野レミ氏がツイッターで投稿(ツイート)した簡単レシピが出版されたり、スマホのアプリとしても開発されていたりしている。
 
それに関連し、営業譲渡(事業譲渡)により、レミパンなど「平野レミ」シリーズの独占販売権(特許発明の独占的通常実施権など)を取得したにも関わらず、商品の製造販売から完全に閉め出されたことから、譲受会社である調理品メーカーが契約違反などを理由に損害賠償を求めた訴訟の判決(東京地裁平成24.3.30)を紹介したい。
 
この判決で注目すべきことは、譲渡会社が特許権に係る通常実施権を有していたか、つまり、契約書の解釈である。
 
まず、a契約において上記「独占的実施権」として許諾されているのは、本件商標1の使用についてであり、譲渡会社は、契約の締結によって、本件商標1の付された商品(調理用器具)を製造及び販売することに係る独占権について許諾を得たものである。
 
その一方で、「本製品に関連して生じた特許」の出願等についての定めはあるものの、本件特許発明の実施については何ら言及されていないことから、譲渡会社は、少なくとも本件特許発明の実施に係る許諾を得ていたものとは認められない。
 
このように、「譲渡会社は、本件商標1の付された調理用器具を製造、販売することについて独占権の許諾を得ていたものの、本件特許発明の実施品である『平野レミ』シリーズのフライパン(レミパン)を製造することはできず、さらには、営業譲渡契約書においても、上記独占的製造、販売権が営業譲渡の対象財産として盛り込まれていないこと」から、譲受会社も「平野レミ」シリーズに係る独占的製造、販売権を有しないとした。
 
特許契約と商標契約とは全く別物なのですね!
これを勘違いすると偉いことになるということなのですね…
 
特許契約に関連し、特許・ノウハウ実施許諾契約書については当サイトのこちらが参考になります。
 
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