登録商標「リゲイン」とほぼ同一の標章を使用して栄養ドリンクをメルカリに出品することが商標権侵害にあたるとして、医薬品メーカーが損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地方裁判所であった。(東京地裁令和8.5.20)
判決は、商標権侵害を認めた。
判決内容は、以下のようになっている。
まず、商標の類否は、同一または類似の商品または役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品または役務に係る取引の実情を踏まえて判断するのが相当である。
そして、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、原則として許されないが、
「商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対して商品または役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには許されるものというべきである。」とした。
これを本件についてみると、本件商標は、1.「Regain」という文字及び2.これを囲うように配置された7色の略七角形の図形によって構成された結合商標であり、
上記1の部分からは「リゲイン」という称呼が生じ、英語の「regain」の意味である「取り戻す、回復する」という観念を生じること、上記2の部分からは特定の称呼及び観念が生じないものと認められる。
他方、被告標章は、本件商標と同一の上記1の文字及び上記2の図形に加えて、3.上記2の図形の内部、上記1の文字の下に、「カラダをつくる、」、「明日をつくる」という2行の文字を組み合わせて構成された結合商標であるが、
このうち、上記3の文字は商品の効果についての一般的な説明にすぎず、この部分から出所識別標識としての称呼、観念は生じないものと認められるから、被告標章の上記1及び2の文字及び図形を抽出して商標の類否を判断することは許される。
そして、「本件商標と被告標章において、上記1及び2の文字及び図形は同一であり、その外観、称呼、観念も同一であるから、本件商標と被告標章は類似するものと認められる。」として、商標権侵害を認めた。
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