ヒーローコンテンツに係る制作委託契約(業務委託契約)により制作された成果物の著作権の取扱いを巡り制作会社とガス会社などの間で争われた訴訟の判決が大阪地方裁判所であった。(大阪地裁令和8.1.20)

 

この判決で注目すべきことは、本件における翻案権及び二次的著作物の利用権(著作権法27条及び28条の権利)の取扱いについてである。

 

まず、著作権法61条2項は、翻案権等(著作権法27条)や二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(著作権法28条)を譲渡する場合は、

 

「特掲」、すなわち、これを特に掲げることを要求し、これを欠いた場合には、これらの権利につき、譲渡者になお留保されるものと推定するものであるところ、

 

その文言に加え、その趣旨が、著作権者(譲渡人)の保護にあると解されることも踏まえれば、「特掲」されたというためには、契約に際して、単に「著作権等一切の権利を譲渡するなど」というような包括的な記載、合意をすることだけでは足りず、

 

「譲渡対象権利として、著作権法27条や28条の権利を具体的に挙げることにより、当該権利が当該の対象になっていることを明記するなど明示的に合意する必要があるというべきである。」とした。

 

本件では、原告が被告佐賀新聞との間で締結した本件委託契約1も、さらには、被告山代ガスとの間で締結した本件委託契約2にも、文言上そのような特掲がないことは明らかであるところ、

 

本件各著作物に関する著作権のうち、著作権法27条及び28条に定める権利は、上記(1)のような著作権全般の帰趨とは異なり、原告に留保されたものと推定される。

 

一方、その法的効果はあくまで、推定であるところ、本件において、これを覆滅する事情があるかを検討したところ、

 

「原告及び被告らの間で、著作権法61条2項の推定を覆滅させるべき事情があるとは認められないから、本件各著作物に関する著作権のうち、著作権法27条及び28条の権利は、原告に留保されているものと認められるとして、翻案権及び二次的著作物利用権についての著作権譲渡は否定した。

 

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