老後が怖くて不安、
そう言う人は多い。
でも、
本当に怖いのは、
老後だろうか?
お金。
病気。
介護。
孤独。
もちろん、
不安はたくさんある。
でも、
もしかしたら、
一番怖いのは、
自分の人生を生きないまま、
終わってしまうことなのかもしれない。
会社のため。
家族のため。
子供のため。
親のため。
誰かのために頑張ることが、
いつの間にか、
自分の人生になっていた。
役に立つことで、
自分の居場所を作ってきた。
やりたいことも、
好きなことも、
後回し。
「いつか」
と思いながら、
気が付けば、
何十年も過ぎていく。
そして、
仕事を卒業し、
子供が自立し、
親を見送り、
役割が終わった時、
ふと思う。
「私は、私の人生を
生きてきたんだろうか?」
と。
役に立たない自分になったら、
生きている意味まで、
無くなってしまうような気がする。
役割が終わると、
自分まで終わるような気がする。
だから、
老後が怖い。
お金だけじゃない。
病気だけじゃない。
一人になることだけじゃない。
本当は、
自分を置いてきたまま、
人生が終わってしまうことが怖い。
人の期待に応えるために、
置いてきた自分。
忙しさの中で、
見失っていた自分。
「もう遅い」
と諦めていた自分。
でも、
もしかしたら、
老後というのは、
失っていく時間じゃない。
若さを失う。
体力を失う。
仕事を失う。
役割を失う。
確かに、
失うものはある。
でも、
その代わりに、
今まで後回しにしてきた
「自分」
を迎えに行く時間なのかもしれない。
若い頃、
好きだったこと。
忙しくなる前に、
諦めたこと。
「いつか」
と言ったまま、
そのままになった夢。
誰にも言わなかった、
小さな願い。
そんなものを、
もう一度、
ゆっくり拾い集めていく時間。
老後は、
人生の後始末じゃない、
長い長い寄り道だった。
でも、
寄り道だったからこそ、
最後に、
自分の人生へ
帰れるのかもしれない。
もし、まだ心のどこかに
小さな願いが残っているのなら、
もう遅いと思わなくていい。
置いてきた自分を迎えに行きなさい。
それでもまだ、あなたは、
もう終わりだと
思っているかもしれない。
人生の最終章だと。
でも、
もしかしたら、
これからが本編なのかもしれない。
長い間、
誰かのために生きてきた人が、
やっと、
自分の人生を生き始める。
そんな時間があってもいい。
肩の力を抜いて、
気楽に生きてください。
急がなくていい。
頑張りすぎなくていい。
誰かのために生きてきた人にも、
自分の人生を生きる時間が、
あっていいのだから。
老後とは、
人生の終わりではなく、
置いてきた自分を迎えに行く時間。
長い長い寄り道のあと、
やっと、
自分に帰る時間なのかもしれない。
置いてきた自分を迎えに行きなさい。
長い間、
待たせてしまったのだから。

