昨日衆議院を通過して参議院に送付された共謀罪関連法案の参議院での審議は5月29日に始まるようである。
強行採決に抗議して審議拒否だ、などという展開になっては困るなと思っていたが、29日に審議入りすることは参議院の国対関係者の間で合意されたようだから、これはこれで結構なことである。
参議院では一度も共謀罪についての本格的審議をしたことがないはずだから、大方の参議院議員の皆さんにとっては今国会が初めての共謀罪議論への参加ということになる。
参議院は再考の府、という言葉があるくらいだから、衆議院では十分議論されなかった事項について徹底的に議論を尽くしていただきたい。
衆議院から送付されてきたのは、自公維の共同修正案だから、参議院ではさらにこれをブラッシュアップするような充実した審議をしていただきたいものだ。
私は、衆議院と参議院がまったく同じような審議をしないのであれば参議院は無用の存在になる、参議院は良識の府にふさわしい中身のある審議をしていただきたいものだ、と願っているのだが、幸い参議院には良識に富んだ識見豊かな法曹出身の参議院議員が与野党を問わず一定程度おられるはずだと信じているから、出来れば参議院で再度与野党共同での再修正案を提案していただければ幸いである。
政府当局者は政府原案が最高だ、と思っているかも知れないが、国民の代表者である国会議員としては将来への不安事項や懸念事項は出来るだけ取り除きたいはずである。
自民党の参議院法務委員会の理事がどなたか分からないが、多分それなりに世論に敏感な法曹出身の理事がおられるはずである。
出口を急がず、丁寧に議論を尽くしていただきたい。
通常国会の会期は、思いっ切り延長されればいい。
そのことだけで、自民党は、結構良識がある政党だと見直されるだろう。
まあ、そうでない人もいるにはいるのだが。