秘書が関わったとされていることについては、現在調査中です、ということになるかしら | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

相対での金銭の授受については、渡した、いや貰っていない、という押し問答でどうにかその場を乗り切れることが多いが、秘書がどこまで関わっていたのか、具体的にどんなことをしたのか、ということについては、当事者でない人には何とも言えないはずである。

甘利氏ご本人がこれまでどの程度の修羅場を潜ったことがあるかはまったく知らないが、少なくとも甘利氏の事務所には修羅場を経験した人が少なそうだ。
呆れるほどに甘い。
脇も甘いが、やること為すこと、すべて甘い。

ああ、これじゃその筋の人から簡単に付け込まれてしまうな、と思うくらいだ。
ノー・ガードである。

どこの国会議員の事務所でも選挙違反の一つや二つは抱えてしまうものだが、甘利事務所の場合は仮に選挙違反等を経験していたとしても、そう大した修羅場は見ていなかったのだろう。

どこの国会議員の事務所でも、あれやこれやあちこちから相談事を持ち込まれるものである。
それこそ、あちこちに口利きをしてあげなければならないようなこともある。

私が知っている元国会議員は、公共工事の指名業者に選ばれるように口を利いて欲しいと頼まれたら、逆にその業者を外すように役所に連絡したそうだが、そのくらいガードを固くしておかないとどこかで足を掬われてしまう。
私の場合はそこまで露骨なことはなかったし、そこまでのことをする機会もなかったが、少なくとも事務所の人たちには、頼まれごとがあっても絶対にお金を受け取ってはいけないと、口を酸っぱくして申し渡していたものだ。

勿論、どんなことがあってもあっせん利得の罪に問われないように、という配慮からである。
それでもお金を置いていった人がいたが、その時には秘書に命じてお金を返しに行かせたものだ。
一度みんなの目の前でそういうことをやると、事務所の人たちは絶対に陳情者からお金を受け取るようなことはしない。

まあ、私が弁護士だから、人一倍そういうことに気を遣ったのだろうと思うが、結果的に私の事務所では誰も事件を起こしていない。

事件屋とか右翼とか暴力団と言った胡散臭い人たちを事務所に近づけないようにするのが、まずは国会議員の事務所を護る要諦なのだが、政治に古くから携わっているところではどうもその辺のガードが甘いようである。

甘い甘い甘利氏の事務所では、どうやら元右翼団体の構成員との付き合いがあったようだ。
持ち込まれた話の筋悪さを見抜けなかったのか、それとも甘利事務所の人がそういうことにルーズでうっかり乗せられてしまったのか分からないが、甘利事務所はどっぷり泥沼に浸かってしまったようだ。

今日の夕刻の甘利氏の記者会見では甘利氏は自分に掛かる件については身の証を立てられるかも知れないが、秘書の件までは確定的なことは何も言えないはずである。
今日の記者会見ではせいぜい一週間の時間稼ぎが出来るだけで、TPPの締結が済んだら、どうやらご自分の方から大臣辞任の申し出をしなければならなくなりそうだ。

時々刻々情勢が変化している。
当初の見立てよりもどうも深刻なようである。

まあ、何と甘いことか。
政治家は、仕事が出来るだけでは足りないということだ。

多分、今頃官邸ではそれなりの備えをしていることだろう。