心情的憲法無効論者の議論は、危うい | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

自民党の国会議員はこんなことは億尾にも出さないが、どうも心情的には憲法無効論に加担しそうな人が何人かいることは間違いなさそうだ。

押し付け憲法論に共感する人は、どうしても現行憲法の最高規範性や憲法の羈束性に疑義を抱きがちだから、立憲主義に対しても鈍感になる。
本来無効な憲法の規定に少々抵触したぐらいで何を大騒ぎするんだ、などという一見暴論を展開される論者がおられるが、まあ、こういう方は国民の中では圧倒的な少数派だろう。

私は、瑕のある憲法でも国の最高法規として大事にしようと考えているから、瑕を直すことには賛成だが、憲法そのものの価値を貶めるようなことには反対である。

安倍総理にはどこか心情的憲法無効論者の気風が漂っている。
安倍総理は、心情的にはどうも現行憲法を受け容れていないのではないか。

言うに言われないような気分や空気の問題だから、どこがどうと具体的に指摘は出来ないのだが、私が思うほどには憲法を尊重していないように映る。

絶対にそんなことは口に出さないだろうが、基本的には現行憲法と向き合う姿勢がやや斜に構えているように見える。

私が、修正なしでの政府原案の成立に異議を唱えざるを得ないような気分になるのは、多分こういうところに遠因がありそうだ。