訴訟トラブルに巻き込まれない方法 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

裁判を受ける権利は国民に保障された権利だから、自分の権利が侵害された、自分の権利を主張したいと思い人の権利行使を妨げる道はまずない。

出訴制限があったり、別途紛争解決手続きが用意されておりわざわざ裁判手続きを踏む必要がないと思われるような事柄であれば、訴訟トラブルに巻き込まれることを事前に回避することも出来る。

大事なことは紛争の種を作らないことだが、一切紛争の種を作らないで済ませることが出来るような人はまずいない。
裁判手続きまで必要となるような法的紛争になるのかならないのか、ということを見極める必要がある。

権利を侵害された人は遠慮なくどんどん法的手続きをされればいい、というのが私の基本的な立場である。
泣き寝入りなどする必要はない。

正義を実現するのに何も躊躇する必要はない。
さあ、しっかりやりなさい、と励ますところである。

その一方で、これは明らかな言いがかりだ。
ここまでやるのは権利乱用で、こういうことを放置していたのでは一般の方々が迷惑する。
何故この人はそんなに怒り狂うのだろうか。

そう思って、なるべく早急かつ穏便に紛争の解決を図ることがある。
大体は言葉の行き違いや、勘違い、事実確認の誤り、法の解釈の誤り、どちらかの準備不足、間違ったアドバイスを鵜呑みにした末の行動だったりする。

大体は、「話せば分かる。」ということになる。
しかし、実際には、話しても絶対に分からない人だな、と思う人が1割くらいはいるだろうと思われているのだから、これも一概には言えない。

そういう状況の中で、救急車の出動に伴っての法的な紛争が出てくるのはまず不可避である。
避けようとしても仕事をすればするほどトラブルが出てきそうだ、という類の非権力的行政サービスだと言っていいだろう。

アンビュランス・チェイサーという言葉がある。
救急車の後を追う弁護士のことである。
交通事故の被害者のところに駆け寄ってさっと名刺を渡す。
困ったときの相談は、私にどうぞ。
まあ困った方にとっては実にありがたい存在だろう。

死亡事故などの場合の損害額は普通の人ではとても賄えないような高額になる。

日本ではそこまでする弁護士はいなかったのだが、弁護士の広告が解禁され、インターネットが普及し、しかも弁護士が量産され、司法書士までこういう事案を手掛けるようになったから、日本でもアンビュランス・チェイサー的弁護士みたいだと言われている人もゼロではなさそうだ。

そういう社会状況の変化もあってか、救急車を運用する自治体の緊張感がかなり高くなっているだろうことは間違いない。

さて、そういう社会状況の中でどうやったら訴訟リスクを回避できるか。
結構難しい問題ではある。

私自身は、どんな場合であっても結局負担するのは住民、すなわち税金なんだから、やはりそういうトラブルを起こさないようにするのが一番いい、と答えれることになるが、具体的に考えるとこれも相当に難しいことである。

さて、どうしましようか。
どうしたらいいでしょうか。

ということを、救急救命士の皆さんの宿題とすることにしておく。
よろしく。