強行採決は避けよ | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

まあ今の自民党執行部は懐が深いからそうそう短気は起こさないと思うが、今日無理に特定秘密保護法案の衆議院採決を行うものではない。

ツワネ原則に照らして特定秘密保護法案は欠陥だらけだ、という指摘があるが、諸外国の法制と比較してそれほどひどくはないのではないか、というのが高橋洋一氏の指摘である。

ツワネ原則を国連憲章や国連人権宣言の一部のように見做しておられる方もおられるようだが、ツワネ原則自体は法律でも条約でもない。
一つのモデル、一つの理想形の提案ではあるが、ツワネ原則自体には法的拘束力はない。

比較すべきは諸外国の法制であって、諸外国の法制と比較して特定秘密保護法案はそんなにひどくはない、という高橋洋一氏の指摘は、そのとおりだと思う。

しかし、現時点では特定秘密保護法案に対しての懸念が未だ十分に解消されていない、と言わざるを得ない。
公聴会を終えたのだからさあ採決だ、などという拙速はやはり避けるべきである。

もう少し時間をかけた方がいい。

この段階で懸念事項を解消させる一つの手段は、法の附則に懸念解消のための協議機関の設置を明記することである。
ここまで政府与党が譲歩したらもういいだろう、と思うくらいの柔軟な姿勢を示しておもむろに採決の手続きに入るのがいい。

そのくらいの器量は今の自民党にはある、と思うが、さて如何だろうか。