総務省が救急車の標準装備基準の改定作業に着手したようだ。
現在の救急車の装備は50年前に定めたものだそうだから、こんな規定が未だに生きていたということ自体が不思議だ。
遅くに失しているとは思うが、何もしないよりはいい。
しかし、救急という言葉で未だに救急車のことしか思い浮かばないというのは、如何にも発想が貧しい。
消防の救急車だけでなく、民間の救急タクシーや救急自動車の普及を何故同時に検討しないのだろうか。
国の省庁の縦割り行政の弊害がこんなところに現われているようだ。
行政に任せておくと高規格の救急車ばかり念頭に置いているからどんどん行政コストが膨らんでいってしまうが、低規格の救急車もいい、民間の救急車もいい、と発想を転換するとずいぶん世の中は機能的で役に立つようになる。
AEDを搭載している救急タクシーを普及し、無線を活用して24時間、いつでもどこでも3分以内に現場に到着できるようにする、くらいの柔軟な発想で必要な対策を纏めてくれれば、世の中がずいぶんよくなったと実感できるようになるのだが、デスクワークが専らの人からはそういう発想は出てこないようだ。
ここは、政治の出番である。
災害救急、産科救急、学童救急、スポーツ事故救急、自動車事故救急、介護施設救急、大規模集客施設救急、大規模集客イベント救急などなど救急の態様に応じた救護救急の在り方についてそろそろ本格的に検討する必要がありそうだ。