この臓器移植は問題になる | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

どうやら世論の反応を窺っているような感じがする。

ついに3例目の家族承諾のみでの脳死判定、臓器移植提供が行われる。


50歳代の女性の死亡について、父親と兄、姉等5、6人の家族の同意だけで脳死判定をしたと報道されている。

脳死判定を受けられた女性が50歳代だという点が気にかかる。

一度も結婚をされなかったのか、誰と同居されていたのか、などの生活歴が分からないと、この脳死判定に問題がないかどうかの判断が難しい。

医療の面から考えても、脳死判定に至るまでにどの程度の医療が施されてきたのか、を押さえておく必要がある。

次に、手続面からも問題がある。普段から臓器移植・臓器提供の話し合いをしていないのに、何故、急にこの段階で脳死判定を勧めたのか、その勧め方は適正であったかどうかが分からない。


ご家族が単なる延命治療の拒否の趣旨で脳死判定を承諾したのだとすれば、大きな問題に発展する。


私には医療の現場でどんなことが始まっているかがよく分からない。

何か、臓器移植ありき、のような雰囲気を感じる。


50歳代といえば十分分別のある年代。

ご本人が何でも自分で決めてこられたと思う。

親とは、明らかに別の独立した人格だ。

50歳代ともなると、そのご兄弟も相当の年齢。

ずっと同居でもされていれば一心同体、運命共同体的な要素も出来てくるが、通常は、考え難い。

たとえ兄弟でも、別の独立した人格と考えるのが普通だろう。


遺言書を作成されていないか、ご自分で不動産などの契約をされた経験をお持ちであるか、ご本人の生計は誰がどんな風にして支えてこられたのか、生命保険の契約はされていたかどうか、などなどの事情も慎重に検討する必要がある。

基本的に50歳代の女性については、ご本人の意思表示を必須の要件と考えておかないととんでもない紛争が発生する虞がある。


これは問題だ!、ということをとりあえず申し上げておきたい。