人を育てる方法/10パーセントだけ負荷を重くする | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

人を壊すのは、簡単だ。


どうやってもクリヤーできないような課題を与え、できないことを散々に非難すれば、確実にその人の人格は崩壊に向かう。




その反面、人を育てることは、簡単ではない。


相手を理解し、その人にふさわしい目標を与え、その目標達成に向けて自立的に努力する動機を付与しなければならない。




私は、相手の能力を向上させることが目的なら、まず相手の現在持っている能力の10パーセント上の課題を与えることが重要だと考えている。




簡単に達成できる課題ばかりだと、明らかに能力が退化してくる。


余りにも課題が重すぎると、頭が真っ白になって、何も手がつけられなくなる。


相手の力がどの程度かを見極めることが重要になる。




私の法律事務所では歴代、同期の弁護士の中でも優秀だと言われる若手弁護士を送り出してきた。


もともと素質に恵まれた人ばかりであるが、それなりに私の指導方針が良かったのだろうと自負している。




私の方針は、最初は簡単な報告文書の作成、ついで依頼者との法律相談への同席と法律問題についての調査、準備書面等の専門的法律文書の作成、半年ほど経ってからはじめて私自身同席での法廷での証人尋問、その後は本人の能力に応じて事件を配転し、以後は基本的に単独での仕事を原則とし、必要に応じて助言する、というスタイルで来た。




他の事務所より倍のスピードで若い弁護士の能力が伸びている、と言われたものである。


弁護士100人の近代的総合法律事務所を作り、あらゆる法律問題に迅速・適切に対処できる最強の法律事務所を作りたいとの夢に生きた時代もあった。




今は、国会議員としての仕事で手一杯で、そんな夢を追う暇が無い。


若い弁護士の教育に当たる時間も、能力もなくなった。




これからは、せめて日本の将来を託するに足る、若い政治家の発掘に夢を懸けてみたい。