次郎は 裕福な家に生まれた

なのに 

無作法で 強情で 乱暴者

 

兄も弟もいるのに

次郎だけが いつも問題を起こす

これは母親の育て方が影響している

 

母親のお民は士族の娘

幼い頃から「孟母三遷の教え」に憧れ

自分に男の子が出来たら

実践したいと思っていた

 

そこで次郎を

小学校の校番をしている小浜一家に

預けることにした

 

孟母三遷は

墓場の近くで暮らすと

子どもが葬式の真似ばかりして

市場の近くだと 商人の真似をして

学校の近くに引っ越したら

子どもは熱心に勉強をするようになった

と言う話

勉強熱心な子は学校の近くで育つ

 

でも あれは

他人に預けてしまうのではなく

母親と一緒に暮らす設定だったと思うけど

・・・

 

とにかく 小さなころから

学校に住み込んでいる一家と暮らし

そこの乳母に当たる人に可愛がられた次郎は

実の家に帰っても

兄弟と仲良くすることが出来ない

 

何かと反抗的な次郎に

実の母のお民も冷たい態度をとる

 

自分の家なのに 

帰っても少しも楽しくない

 

これは そんな家で

仕方なく浴衣に着替える次郎

本

次郎が可哀そうです

 

どんな立派な教えでも

それがどの子にとっても

最善の方法とは限らないのに

 

可愛がってくれた校番の乳母

自分を生んだ実の母親

その母親が亡くなった後の継母

 

合計三人の母親を持つ

次郎の成長を描いた話が

「次郎物語」

この本に載っているのは

子ども時代の部分だけです

 

これから日本が

何度も戦争をする大変な時代

そんな時に生まれて

せめて幼い時くらいは屈託なく

居心地の良い家で

過ごさせたかったように思います