そんな日々を過ごす中で…
まさか、あんな事が起きるなんて…
そう、予想だにしない事が…
いや、なんとなくだけど
少し不安だった。
いろいろとノウハウを惜しみなく教えてくれる師匠…
そう、あの日も…というかあの日の師匠の背中は…なんとなく小さく…なんだろう…
自分の仕事が終わって…またという挨拶をしようとした時に…
あの時の師匠の背中は…
なんとなく儚く消えてしまいそうだった。
そんな伏線がなかったわけじゃない…
でも、日々、あまりにもいろいろと惜しみなく教えてくれる師匠。
それはとても楽しくもっと教えてという自分のこれからの薬屋人生のレールがしっかりと出来上がってた時だった。
土日が休みで金曜日の仕事終わりに「じゃ、また来週!」と言ってくれた師匠。
なんとなく変な胸騒ぎがあった。
そんな日の夜…
夢を見た。
お店でいつものように師匠から薬屋のこと、様々なノウハウについて…笑顔で教えてくれてた。
そんな時にお客様が来て、自分が会計のためにレジを打ち込んだ時に(そのレジは古くて時にエラー起こしたりした)また調子がおかしくなって師匠にその旨を伝えようとした時にさっきまでいた師匠がの姿はなかった。
自分は、「あれ?師匠!」と辺りを見回す…そこは締め切った薬屋の中。灯りも消えて薄暗く…すごく怖くなった。
そして、うなされて目が覚めた。
なんか、その胸騒ぎは全然晴れず…
土曜日は師匠の薬屋への出勤日じゃなくて実家の薬屋の手伝いの日だった。
気になって連絡するけど
なぜか連絡がとれない。
ん?あれ?師匠の薬屋は休み?
そう考えてた時に取引先の方からの師匠の訃報。
え?
なぜ?
その時の自分は、パニック状態。
急いで身支度をして師匠の薬屋へ向かった。
師匠の住居へ向かった。
多勢の親族の姿が…
そう、
今でも自分の胸に刻み込まれた光景。
不安は、現実だった。
まだ、大学出たばかりで世間もよく知らない自分。
仕事という…
薬屋という…
人生のビジョンを決定づけた師匠
親じゃないけど…
ある意味、親といってもいい尊敬する師匠。
それからだろうか?
どうにか短い間だったけど、教えてくれた偉大な知識を自分のものへとしっかりと変換するためにやってきた。
ただ、悔やまれるのは…
あの時の師匠の背中…
何もできなかった自分への戒め…
ずーっと悔やみ続けてきた。
…さらに続く…
(薬屋のおっちゃんの記憶の掘り返し)