1999年 アメリカ 136分
 
 
監督:ウォシャウスキー兄弟
出演:キアヌ・リーブス、ローレンス・フィッシュバーン、キャリー=アン・モス
 
 
 
 
 

 ストーリー

コンピュータプログラマーとしてニューヨークの企業で働くネオ。凄腕ハッカーという別の顔を持つ彼は、最近“起きてもまだ夢を見ている感覚”に悩まされていた。そんなある日、自宅のコンピュータ画面に、不思議なメッセージが届く…。SFアクション。

 


 

 

 

 

  評論・考察

 
 いやぁ〜物凄い悩みました。まず映画評論の1発目をどの作品にするのかを・・・。
 1発目からいきなり知る人ぞ知る「ムカデ人間」やら、「ファニーゲーム」とか取り上げたら頭おかしいでしょ。ただのド変態ですからね。それだけはさすがに避けようと思っていた次第ですけど。
 
 ちょうど最近Netflixに加入したので、どの映画を見ようかザッピングしていたら、この「マトリックス」が個人的に引っかかりました。超有名映画ですし、これは最初の評論に持ってこいだな、と。
 
 公開当時は映画館で観た記憶があります。しかし、中学生だったこともあり、イマイチ内容の理解には乏しかったと思われます。ストーリーは全然覚えてないし、もう、何なら面白かったかさえも記憶にない。これは再鑑賞するべき、と今回に至ったわけです。
 
 
 
 
 
あっ、ちなみにネタバレしますのでそれが嫌な方は必ず観賞後に閲覧ください↓
 
 
 
 
 
というわけで、最初に感想を言わせてもらうと・・
 
「何これ!? めちゃくちゃ面白いじゃん」
 
 
いやぁ〜驚愕しましたね。これが22年前の作品ですか!?
 
本当に面白い作品はいつ何時観ても色褪せないというのは本当ですね。
 
 
 
皆さんは今、あなたがこのブログを読んでいる瞬間が、呼吸をしてるでこの時間でさえもあなたのこの人生が現実と証明できるでしょうか?
そう、これがこの映画の本題ですよね。
 
今を生きてるあなたはただコンピューターが創り出した仮想世界を見続けているだけかもしれないのです。この仮想世界こそがマトリックス。
 
21世紀の始めに人類がAI(人工知能)を発明し、AIが意識を持つようになった。そしてAIは悟りました。人間の体から出る生体電気エネルギーは膨大な熱量を生み出すことができる。コンピュータはそれを核融合と結合させ、パワーを得ようと考えたわけです。
 
実際の現実世界の人間は管に繋がれて栄養を送られている。人間は誕生するのではなく栽培されているんです。
 
 
 
 
キアヌが管から繋がれて目覚めるシーンも衝撃でしたね。ただ、その瞬間、ふと思いました。
 
 
俺なら知らなくて良かった。
 
 
 
 でも、あの状況なら真実を知る赤い薬を飲んじゃいますよね。モーフィアスの誘導尋問というか今ならパワハラと訴えてもいいかもしれません。
 
 
 そっからのキアヌの心境が複雑。こんな身体中に接続部があり、現実を受け入れるしか選択肢がない状況。いきなり真実を見せられ戸惑っているのに、モーフィアスを始め、皆から「救世主」として期待され、羨望の眼差しが半端ない。
 
 
キアヌにとっては
 
 
知らんがな!?
 
 
ですよ、本当に。
そんな期待されたらやりにくいよな。かと言って、俺は「そんな器じゃない!」とか、「やりたくない」とかも言えないし。せめてそこは皆には黙っていてほしかった。
何なら預言者に「救世主じゃない」と言われたことをモーフィアスに伝えようとしたら「いやいやいや、預言者に言われたことは自分の中に閉まっとけ」みたいになって結局言えずじまい。はい、パワハラ、パワハラ。
 

 

好きなシーン

 
そしてマトリックスと言えばこれ。被写体の周りに何台ものカメラを並べて、被写体が静止・スローモーションで動く中、カメラアングルが360°動く撮影技術。
 
 
 当時、この動きもよく真似しましたよね。 今では当たり前のようにスポーツ中継などでも使われているこの技術。それの先駆けも全てマトリックスから始まっていると思うと、(正確にはこの技術を映画で初導入したのがこの映画なだけかも。それにしても) 何事も最初に始めた試み、挑戦心にはそれなりに評価せざるを得ないでしょう。
 
 でもマトリックスで僕が1番好きなシーンはここ↓
 
 
  サイファーがモーフィアス達を裏切り、エージェント・スミス達と交渉しているシーン。旨そうなステーキを喰いながら「これも現実ではないんだよなぁ〜」と嘆いてるシーン。これもただ、旨さの電気信号を脳に送ってるだけ、という哀愁漂うこのシーンが切なすぎて好きです。
 
 
 
 それとこの映画、
 
フォルムがまた格好いい。若い頃のキアヌが超絶イケメンなのは当たり前だとして、あの黒衣装にグラサンがまた良いね。皆、似合ってる。
 
 格好良すぎて、モーフィアスのこの耳掛け無しグラサンめちゃくちゃ欲しい。鼻掛けだけってところがもう最高。センスあるなぁ
 
 
 
しかし、これが映画のストーリーの設定として活きてないのが残念。仮想世界では絶対に私服のダサい格好で世間に紛れ込んだら良いんじゃないかな。あんな黒服でグラサンしてたらエージェント・スミスじゃなくても見つけちゃうよね。仮想世界ではこの格好のせいで損してる気がしたよ、とずっと思ってました。
 
 モーフィアスを助けに行く銃撃戦も良かったけど、ヘリから銃ぶっ放しすぎじゃね?
モーフィアス助けに来てんのに、あんなぶっ放したらモーフィアスまで死んじゃうよ・・
 
 
 
 最後に、ネオが救世主になった瞬間も好き。ネオは預言者に救世主だということは否定されてますが、単に預言者と出会った時はネオはまだ救世主ではなかったということですね。また預言者はトリニティに対して、「トリニティが愛した人こそ救世主」と過去に伝えてます。
 
 
つまり、預言者に会った時はキアヌはまだトリニティに愛されてなかった、ということ。
 
 あの救世主に覚醒した瞬間に愛された。
この解釈でほとんど間違いないでしょう。ただそう思うと、もっとトリニティとイチャイチャしても良かったかな?何故好きになったのか分からず、急に好きになってる印象。
 
 
トリニティ、ただの面食いじゃん。
そりゃ、サイファーも裏切るわ!
 
 
ってなりました。もうちょいトリニティがキアヌを好きになるくだりはあっても良かったのかなぁ〜と思っております。
 
でも、考えると「救世主誕生!」だけで終わったこの作品。序章中の序章ですね。3部作なのは知ってましたが、これから先楽しみですね。またアメリカでは年末にも「マトリックス4」が公開されると聞いています。そうなると日本公開も来年にはなると思いますが、間近だと思いますのでちょうどいい感じで、「マトリックス」を振り返っていると思います。
 
皆さんもこの機会に「マトリックス」を振り返ってはどうでしょうか。
 
 
 

 TODAY'S 採点

 
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️☆ 9点 (10点満点中)