制空権(せいくうけん)とは軍事用語で

 戦略的に重要な拠点の空路・空域確保のことである。

 

 

東京大空襲下 都内の制空権は

 アメリカ軍側にあった・・・

 

制空権を失えば空爆など

 攻撃にさらされることは必至。

(近代戦では地対空兵器で抗えるのですが)

 

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先月を最後に姿を消した

 次女の友達のカラスくん(ハシブトガラスのオス)は

  先週、家から遠い場所の道路で 私と妻の散歩中に

目の前に降りて立ちふさがった。

 

あ・・・お前さん

 生きてたのか!

 

 

私達の顔を見て彼は

 「グウグウ」と小さな声を上げる。

 

カラスの鳴き声で「グウグウ」は

 「私に(なにか)下さい」の

   ものをねだるときに発する声である。

 

 

「わー やっぱり生きていたんだね。

 もう死んじゃったかと思った・・・」

 

 

13年間

 ほぼ毎日わが家に遊びに来て

 

 私達家族と一緒だった彼はほぼ一ヶ月間

  行方不明になっていました。

 

 

もう高齢だし死んじゃったのかな?

 そう思って諦めていましたが

  何らかの理由で庭には来られなくなったのを

私はその時知りました。

 

 

妻と散歩中、食べ物を多くは持っていはいなかったものの

 公園に来るヒヨドリ用のパンは持っていて

  とりあえず少しだけ。

 

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その夕方・・・

 庭で動物の謎の大きな声がして。

 

ワオーっ !

 ワオーっ ?

 

猫か? 犬か? オオカミか?

 猛獣のような大きな声が・・・

 

 

私が追い払いに庭に出ようとすると

 玄関に多くのハシボソガラスに囲まれたカラスくんが

  追い詰められていたです。

 

 

カラスくん 私の足元に来て

 大声で体をボールのように膨らませて

  多勢に無勢ながら私を盾に強がっていました。

 

(来るなら来てみろ!

  こっちには味方がいるんだぞ!!)とでも?

 

多くのカラスに囲まれて私のほうが怖かった・・・

 

 

 

ああ・・・カラスくん

 テリトリーだった庭の制空権を取られてしまって

  裏庭から歩いてきたのですね。

 

(航空戦略を断念し 

  やむを得ず歩兵手段を選択したのか・・・)

 

帰りも飛ばなかったです。

 

 

この写真、ズームやトリミングではなく

 私の足元で「ワオワオ」鳴きながら食べる姿・・・

 

おまえさん・・・ここまで追い詰められたか。

 

昨日は玄関の中に入ってこようと・・・

 「家の中はダメダメ!」

 

 

犬の鳴き声のようにワオンワオン鳴くカラスの声を聞いたことは

 この20年以上 私には経験がありません。

何らかの威嚇か、

 私等の家族を呼んでいたのでしょう。

 

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先代の庭に住み着いていたハシボソガラス(メス)も

 最後の頃、同じように私の足元で食事をしていたなー

(それを追い払ってここの制空権を奪ったのが このカラスくん)

 

あれから13年。

 

 

同じようにもうヒトに守ってもらう姿

 末期的な状況ですね。

 

 

野生では同じことが繰り返されるのです。

 野鳥でありながら人間の住居付近に住み着くカラスの生態。

 

 

代々テリトリーを奪い合って

 権利が守りきれなくなると

  ヒトにすがって救助を求めます。

まあ・・・ 頑張りなさい。

 私の目の黒いうちは食べ物くらいは用意してあげるから

  そのかわりに次女と遊んであげてね。

 

でも家に入ってきちゃだめだよ。