らせん です
大好きなものはたくさんあるけど
大好きな道もたくさんあります
前よりたくさん歩けなくなったけど
だからこそ
大好きな道を行くときは
今まで以上に気を配れるように
なりました
大好きを詰めて箱に入れて
キュッと麻紐で結わえたような
そんな散歩道
青々と繁った大きな桜の木
満開のときも
散り際のときも
妖しく美しいけれど
大きく枝を広げて
空が見えないくらいに葉を繁らせた
夏の桜の大木は
見上げても見上げても
見飽きることがありません
あおい衣をまとったように見えるけど
蔦は
もしかしたら桜の木に
恋焦がれて縋っているのかも
さあ どちらでしょう
煉瓦造りだった建物の跡
煉瓦はコンクリートに覆われた
でも
年月は流れて煉瓦は再び顔を見せてくれた
なんて力強い
わたしはたくさんここから
力をもらっています
出来るなら
ずっとこのままここにこうして
残っていてほしい
更地になっていないのを見るたびに
ホッとする場所
ここはどこ
ジャングルみたいに繁った緑たち
古びた石の橋
夏の陽射しの強いこと
橋のたもとにある日影に入って
ほんの少し休憩しましょう
桜道橋
きれいななまえ
ちょっと背中を預けさせてね
橋柱の上にはピンクの花が咲いてます
これは誰かが植えたのかな
それとも
鳥が種を運んできたのかな
蔓草や蔦たちが
橋の下からぐいぐいと登ってきてます
橋桁を越えて
手を伸ばすように
道の上に降りようとしてる姿
野葡萄のやわらかな黄緑色と
くるくるした小さな巻き毛が
なんて可愛い
そして
風に揺れるワイヤープランツは
カーテンを揺らしながら
煉瓦のような石積みの崖を
ちらちらと見せてくれる
ごつごつしたこぶを持った
大きなタブの木
セミが鳴いたり
アリの行列が登っていたり
小さな命が生活する場所
タブの木の根元には
昔むかしの水路の遺構
遺構なのに道端にふつうの顔をして
存在しています
たくさんの年月を感じる散歩道は
わたしに力をくれる大好きな道
ここを通るたびに
がんばれ
がんばれ
という
声にならないいろんな気を
もらっているのです
さあ
まだまだがんばれる
もしかしてパワースポット な気分です