らせん です
すっっっごく暑かったけど
すっっっごく行きたくなって
今のこの状態で
果たして歩けるのか
何度も転んで
びしょ濡れのどろどろに成り果てやしないか
いろんな思いや不安があったけど
それに勝るほどの
欲求があったから
肩ひじ張らずにいきましょう
ってことで
久しぶりに朝比奈の切通しを
歩きました
スタートは横浜市
ゴールは鎌倉市
まずは巨大な御神木にご挨拶
全体を写しきれない大きな木は
いつからここにいるのでしょう
バス通りからほんの数メートル
注連縄をつけて枝を広げて
周りの低木たちにかしずかれて
いつも静かに佇んでいる
お顔の表情も朽ちてしまった
何体ものお地蔵さまや庚申さまにも
もちろんご挨拶
どうか無事に歩けますように
行き止まりにされた階段
上のバス通りに出られるの
知っているけど
秘密にしておきたい誰かの手で
枝で通せんぼされていた
いつの間に
鬱蒼とした先の見えない切通しは
心にさざ波を立たせます
わくわく ざわざわ
この先に何が待っているかしら
そそり立つような岩壁と
頭の上にしな垂れてくるような木々
イワタバコとシダにふれながら
前を見ると
ほら こんなに明るい
やぐらに上る階段は
雨で流された土で消えかけています
ぽっかりあいた洞窟は
かつては何が祀られていたのでしょう
今は祀られていたものも
その行く末も
誰が作ったのかも
もう知る人はいません
やぐら という名称すら
忘れられていくのかな
くりかえし繰り返し
時の流れの向こうに消えていった
いろいろなもののように
お久しぶりです
またお会い出来てうれしいです
壁に刻まれたお釈迦さま
ここから鎌倉市
あちこちが崩れていました
わたしが来られなかった月日の間に
大雨が降り
土砂が流れ込み
崖が削ぎ落とされて
見知った十二所への道のはずなのに
知らない場所を通るような
そんな場所が何箇所もある
小さな石碑の横にも
こんもりと土が盛り上がって
崖沿いにある窪みには
行かれなくなっていました
振り返ると
階段状の坂道
これこそ天然の階段です
崖や地面から湧き出してくる水が
足下に溢れ出して
水浸しの道なのか
小川の中に道があるのか
わからない状態になる
これがたまらなく好き
びしょ濡れの中にいらっしゃる野仏さま
ここまで転ばずに
ちょっと不安だった下り道も
歩いて来られましたよ
ほら
朝比奈切通しの出口が見える
中央の四角い光
あそこがゴール
道の上を流れるせせらぎが
わたしの先導役を務めてくれます
汗ばむ首すじに
風が励ましのひと吹きをくれます
自然体でいけばいい
そんなことを学びました
緑に頭を撫でられた 気分です