らせん です
鎌倉の市街地の路地奥から
いきなり山へと入ります
ツクツクボウシが鳴いて夏の名残りがあるけど
彼岸花が階段の脇に咲き
ススキの穂
が揺れる秋の風情が心地よい
が揺れる秋の風情が心地よいふと足元に目をやると
去年からの落ち葉を持ち上げて
あっちにもこっちにも顔を出しているのは
いろんな形のきのこたち
みんなちがって みんないい
その言葉の通り
どれひとつとして同じ顔がない
色も形も微かに漂う香りまで
食べてみたいって思うものもあれば
絶対食べないって思うものもある
でも 自分の中で決めているルールは
さわらないこと
自然というのは不思議の宝庫です
山でも海でも町なかの小さな草むらでも
発見がたくさん
山の神様が食するのはどのきのこでしょう
それよりも食べられるきのこは
ここにはあるのかしら
人間が食べたら
体も手足も指先も痺れ
目はチカチカとハレーションを起こし
胃の腑がねじ曲がるくらいの痛さと苦しさに
もんどり打ってのたうちまわる
想像がつかないけど
自分で試してみたいとは思わないなぁ
出会ったきのこたちの中で
一番高貴なきのこだと思いました
真っ白でなんてきれいでしょう
辺り一面になんとも言えない
きのこの香り
灌木の下がひときわ輝いているようでした
もしかしたら これこそ
あやしく輝いて誰かをたぶらかす
毒きのこかもしれません
でも
どうか嫌わないでください
ひっそりと姿を隠しながら住んでいる魔女が
満月の夜に人目を避けて摘みに来て
コウモリの羽やヒキガエルや
猫の涙と一緒に
大きな鍋でグツグツ煮込んで
魔法の薬になるかもしれないから
きのこの山のきのこたちは
無駄なものはないと思う魔女候補生でした
もうすぐ満月だし な気分です