らせん です
長雨続きの毎日と荒れ狂う台風の隙間の日
少し早起きをして出かけた
玄倉林道の先 ユーシン渓谷
毎回行くたびにちがう顔を見せてくれる
魔法使いのような場所
どこに行かなくてもいいです
わたしにはこの場所があれば
出迎えてくれたのは
控えめなのにどんな園芸種にも負けない
魅力に満ちた花たち
おおらかさと逞しさ
繊細さとはじらい
蠱惑としたたかさまで兼ね備えてる
そう見えてしまうのは気のせいでしょうか
道端に茂みの影に藪に目の先に
実りがたくさん
この実がすっかり熟すのを
誰かが待ってるはず
心待ちにして見上げるのはこの地に住む者たち
赤いイチゴはもう準備万端
誰に食べてもらえるのか
イチゴのわくわくした心が伝わってくる
そう見えてしまうのは気のせいでしょうか
出会ったのはキノコたち
みんなそれぞれちがう姿
美味しそうに見えたり
ピンの先にしか見えなかったり
ユーシンに住む小人が
小さなバスケットを持って摘みにくるのかしら
それとも妖精が座っておしゃべりするのかしら
実りの豊かな自然の中を歩くのは
なんて楽しいのでしょう
あっちにこっちに見どころばかりで
足が前に進まない
これは困った困った
心が穏やかになります
とげとげしていたり
荒んだ気持ちは
いつの間にか浄化されていくようです
たくさんの木が伐採されて泣いたこともありました
少しずつ
でも
脅威的な勢いで
ユーシンは自分の傷を治しています
@神奈川県山北町
山神峠に向かう崩壊した道への階段も
林道からよいしょっと上ったところにある
きこり階段も
静かにそこにありました
見るだけでもいい
行かれなくてもいい
見上げたときに
季節ごとの表情をまとってそこにあってくれれば
それだけで気持ちはみたされて
安心して歩けます
可愛いタマアジサイの花
上の段は朝の往路
下の段は昼の復路
朝には弾けたばかりの白いガクが
葉っぱの上にあったけど
帰りにはどこかへ消えていました
風が運んでいったのかな
それとも小さな誰かが
秋の布団の上掛けにするために
もらって帰ったのかな
陽射しに当たって小さな紫の花も
ほんの少し開いたみたいです
次は秋色に染まる頃来ましょうか
いつ見ても素敵な景色の中にいられるのは
しあわせです
初めて来たときから虜でした
これからも何度も訪れます
いえ
戻ってくる
って言葉を使いたいな
手足をグンとのばしました な気分です