らせん です
塔ノ岳の1/10にも満たない小さな山
切り通しを歩きながら
小さな滝をいくつも見ました
まだ時間はたっぷり
ちょっとお腹はすいたけれど
足に聞くと 歩き足りない と返事がきます
わかりますわかります
わたしも同意見ですから
それに 向かう場所はもう決まってるもの
どこか別の時空に連れてってくれるような
笹のトンネル
少しかがみながら通り抜けたら
そこは鎌倉時代かもしれません
坂東武者が鎧をつけて
幕府を守るための警護に立っているかもしれません
石の階段は
実は一枚岩を削って造られたものです
一段めと二段めには
継いだ跡が見当たりません
いつの時代に出来たのかしら
戦がないときは
自ら鍬や鋤を持って荒れた野山を切り開いて
住みやすい地を造っていた 坂東の男たち
武士も農民も一緒になって汗を流して
この道を造ったと思うと
なおさら踏みしめて歩いていきたい
そして
わたしの好きな場所
天台山 141メートル
塔ノ岳の1/10にも満たない小さな山
山の神さまのお社と三角点
この小さな広場が小さな山の山頂です
まわりは藪に覆われて
景色も何も見えないけど
そこがまたいいんです
風は頭の上を吹き過ぎて
陽だまりは暖かく
隠れ家みたいな山頂には来る人もいない
だから ゆっくり
山の神さまと語れます
コーヒーを淹れましょう
神さまと一緒に静かなコーヒータイム
ナッツはお好きですか
ひとつぶお供えしたら
侵入者が来た と藪の中でさえずっている
神さまの眷族のヒタキかメジロが
後から食べるかしら
山の神さまとしばらくコーヒーブレイク
藪の端っこに座ってあれこれ心の中でお話しましょう
そのうち心の中はすっきりと空っぽになって
清々しい風が吹き込んできます
また来ますね
北条家御一門
今なお 鎌倉の地は北条家の敷地です
敬意を持って歩かなければ
笹のトンネルを通るとき
現代の道に戻れなくなるかもしれません
やあやあ まかり通りまする な気分です