らせん です
朝だけ降った雪が雨にかわって
一日中降り続いた次の日は
塔ノ岳 から ちょうど一週間たった土曜日
良い天気の日は出かけなければ
今日はいつもの階段ではない
段々を見て来ましょう
電車とバスに乗って下りたところから
探険はスタートです
朝比奈の切り通し
いつもと同じに静かです
昨日降った雨の名残りで
ふかふかの落ち葉はしっとりと濡れてるし
ところどころではこねたら
最高の泥だんごが出来そうなぬかるみも
仏さまたちにもご挨拶
この切り通しはひとりで来ても誰かと来ても
いつでも心穏やかになれるのは
小さな仏さまたちが守っているからにちがいありません
水路には絶対におさまりきらない って決めた水は
道を自由気ままに流れています
道自体が 段々滝 になっています
振り返ると
足場を選びながら下りてきた道が
階段に見えます
切り通し自体が大きな階段に思えるのは
いつもながらの
階段探検隊のひいき目だからかしら
端の水路の小さな流れも
いつにも増して勢いよく
いくつもの小さな段々を重ねています
ひとつずつの滝の下には
小さな滝つぼもひとつずつ
小人の仙人が滝を見ながら
白い髭をしごいているのに出会えるかもしれません
藪の奥から湧き出る滝
ここにも段々が
滝の下には四角いブロックの跡もあります
そんなに遠くない昔には
この滝の下の小さな水辺で
なにかを洗ったりしたのでしょうか
四角いブロックの中に
近くの果樹園で採れた果物を冷やしたら
歯に沁みるような美味しい果汁が溢れて
口のまわりについた甘い残りを
冷たい水ですすぐのも
きっと楽しいひとときだったはず
ほら
ここにも 水の段々が
水は段々と仲良しです
どうしても自然に造られた階段に見えるのは
階段偏愛者だから
長ぐつ履いて段々を上りたい
水かさの増した水の中の段々は
水階段となって
滑らないように気をつけながら
しぶきをあげて上ってみたい
湧き出る藪の奥には
どんな場所があるのかしら
だんだんと膨れ上がる好奇心
いつまで抑えられるかな
風邪ひくかもしれない 気分です