日本で働いていた頃、料理人として初めて一年目。自分の駆け出しの頃。
まずシェフに言われた事。
「自分が1番大事だと思う事は、1番大事ではなく、1番大事ではないことが、実は1番大事。」
駆け出しの頃は、料理をとにかくしたくて、ルセット(レシピ)や作り方を聞いたりしたが、教えてくれなかった。
その時は、「なんで料理人なのに、料理できなくて、サービスばっかりさせられるのか?
なんで包丁握らせてくれないのか?」
ずっと、思っていた。
四年勤めた先輩も逃げ出し、2年間包丁は握れず、レシピも分からず、本当に自分は料理人としてやっていって良いのか?
他にいい仕事あるんじゃないか?
料理学校で一緒だった友達もどんどんポジションも上がっていく。
ただでさえ、大学卒業してから始まったから歳もとってる。
思いながらも、ホールの仕事をしていた。
そして、キッチンの先輩もフランスに行き、やっとキッチンの仕事をさせてもらえる!
今まで家で練習や、ホールでの知識を発揮できる!
だが、現実は甘くはなかった。
小さいレストランだった為、従業員は自分1人。
ホール、キッチンを掛け持ち。
シェフ、マダム、自分の3人笑
キッチンの仕込みを9時半まだには終わらして、ホールの掃除や飾りつけなどを11時まだにはおわらせて賄い。
キッチンでは、仕込み、食材カット、デザート仕込みなど順番に教えてもらっていたが、全然追いつかない。
自分のスキルのなさが露呈して、自分に呆れる日々。
でも、腐らず、とにかくがむしゃらに、怒られながらもやっていき、10年経って、今現在は言葉が分からなくても、見ればできるくらいフランスで難なく仕事をしている。
この10年。ブログでは語れない程、とてもとてもとても濃い日々でした。
とにかく迷惑を家族、職場、友達にもかけたが、今に至ります。
そして、最初に言われた言葉の意味。
レストランを離れ、初めて意味が分かりました。
この言葉は、今から料理を始める人、他の仕事を始める人たちにもいずれわかる言葉だと思っています。
もちろん、今仕事している人にも。
自分が教える新人には必ず伝えています。
まあ、料理人の世界は辞めて行く人が多いですが。
他にもありますが、これが1番心に残る名言?(言葉)です。
これを、理解するのがいつになるのかその人次第ですが、
その意味がわかった時、本当の意味で成長できたと思います。