本当に、あっ と言う間だったそうです。。
祖母はしばらく現実を受け止められず、死亡時刻を告げた医師に
「もっと大きい病院に移してください」
と何度も頭を下げたそうです。
死亡原因は不明と、母子手帳には
記録されています。。
医師から解剖を勧められましたが、祖母はかたくなに拒否しました。
母が亡くなって1時間後に父が到着、しばらく母の顔を眺めた後に
「誰が殺したんだ!」と絶叫し、
錯乱状態に陥ってしまい、警察が介入する騒ぎにまでなったそうです。。
なんとか落ち着いて、病室で祖母と父がうなだれていたところに、看護師が走りこんできました。
「赤ちゃんが。。熱がすっかり下がっていて。。」
「元気な泣き声で。。今、ミルクを飲み始めました!」
祖母が慌てて新生児室へ走り、保育器を覗くと、何時間か前に医師に宣告された話がまったくの嘘であったかのような元気な赤ちゃんがそこにいました。
治療にあたっていた医師が祖母にこういいました。
「奇跡が起きたとしか、言いようがありません」
その奇跡的に助かった赤ちゃんは
この私です。。。
この話を祖母がしてくれる度に
「あの子(母)がフレアに自分の命を全部渡したんだ」
と、言っていました。
後、「私があの子にフレアはもう助からないなんて言ったから。。。」
とも。。
こうして、父と母の不倫から始まった恋は結末を迎えました。
ここまで書いてきて改めて思うのは、
決して不倫はいい事だとは思いませんが。。。
父と母が出会っていなければ、今ここに私は存在していないわけで。。
前に、母は「父のことが欲しかっただけ」
と書きました。
でもそれは、母は父を人生をかけて愛したということだと思っています。
同時に、命をかけて愛する人の子供(私)を守ったとも、思っています。
母が父の前妻にしてしまったひどい仕打ち。。
それもまた、母は自分の命と引き換えにして実行したのかな、なんて思ったり。。。
母はきっと幸せな気持ちで旅立ちました
そうやってこの世に生を受けた私もまた、
不倫という輪廻に翻弄されていくわけですが。。。。
次回からはもうちょっとテンポよく話をすすめたいと思います