父を見送った後、母は祖母に付き添ってもらい、産婦人科へ向かいました。
診察を受け、しばらく病室で休んでいると、おしるしがあったので母は分娩室へ向かいました。
週数的にはすでに40週を過ぎていて、赤ちゃんの推定体重は4kgを超えていました。
身長150cmの母にとって、4kgほどある赤ちゃんの出産は大変だったと思います。
おそらく、今なら余裕で帝王切開を宣告されると思うんですよね。
母の体型は小柄なので、骨盤検査でひっかかるでしょう。
時代的な背景があったのかは
さだかではありませんが、この産婦人科は普通分娩をかなり推奨していたようです。。
出産は、難産を極めました。
24時間、丸一日かかったそうです。
途中、出血多量になり、輸血を行いながらの出産だったようです。
そして分娩室からは、元気な赤ちゃんの産声が
聞こえなかった。
赤ちゃんは、仮死状態で生まれ、
40度を超える高熱がありました。
分娩室から出てきた医師に祖母が言われたことは
「赤ちゃんはおそらく亡くなるでしょう」
先に病室へ戻っている母は、まだこのことを知りません。
しかし、祖母にとっては赤ちゃんよりも我が子(母)が大事だったのでしょう。
祖母は8人子供がいて死産も経験していますから、残念だけどまた産めばいい、と
思っていたそうです。
そして祖母は母がいる病室に向かいました。
母「赤ちゃん、どうだった?なかなか泣けなかったみたいだけど」
祖母「赤ちゃんは弱っててもうダメみたいだよ。」
母「・・・・・そう・・」
祖母「またがんばればいいじゃない!」
「・・・・うん・・ちょっと疲れたから眠るね」
そう告げて母は目を閉じました。。
しばらくして、母の顔色が黄色くなっていくのを祖母が不安に思い、頬をやさしく叩いて母を起こしました。
母は一度、大きく目を開き、またゆっくり閉じたそうです。
祖母は嫌な予感がして、ナースコールを激しく押し、自らも病室を飛び出し看護師を呼びにいきました。
それからは医師と看護師があわただしく病室に出入りし、あらゆる医療機材が運ばれてきたそうです。
どうしていいかわからない祖母は、公衆電話に走り父に連絡。
電話を切り、病室に戻った時には
母は
亡くなっていたそうです。。。。。
その5へ続く