福岡ぐりむ療育とピアノと学習の教室です。別ブログやXの過去記事にコメントを加筆して書いていっています。

 

2018年頃のポストです。

 

療育センターに通っていらした年長さんの女の子。

就学相談まで時間がない時期のレッスンスタートでした。

 

通常学級か支援学級かで悩んでいらしたお母さんですが、

通常学級に行けるのなら行かせたいという思いは皆さん同じかと。

 

ぐりさんのレッスンは、今いるところで最高のパフォーマンスを発揮することを目指しており、通常学級にいくことを目的としているのではありませんが、結果としてそうなったケースは多くあります。

 

それで満足なさって終わりのご家庭もたくさんたくさんありますが、

ぐりさんは、むしろそこからがスタートだと考えています。

 

 

ポストの生徒さんは文字に興味なし、とりわけ数関連は、概念そのものがないこともあって大変だった記録が残っています。

 

同じような内容でも、次のプリントで形式が変わると『別件』となってしまって、また初めてやるかのような練習が必要なタイプでした。

 

しかも、入学後、計算式の課題になると、数字を見ただけで強烈な睡魔に見舞われ、気を失うかのように寝るということが度々ありました。

 

 

読み書き、計算の困難を抱えるお子さんたちは、

課題の最中にアクビを連発したり、突然寝たり、目をこすったり、体が小刻みに揺れ始めたり、頭や体が痒くなってボリボリ掻き始めたり、

みていて ちょっと可哀そうに思うことも少なくありません。

 

機能訓練まで手が回るようになると それもずいぶん改善しますが、

最初は優先順位的にそれどころではないことの方が多いですし、

気にならなくなっても、時間がたってから何かの拍子にまたぶり返すこともあります。

 

生徒さん自身が、そんな自分の状態を自覚し、笑ってかわせるようになると、ひとまず超えたかなと思います。

しかし、もうそんな頃には、作業のスピードもパワーも、理解もかなりアップしています。

 

 

でも、ご家庭では そんな様子に気づかれないことの方が多いですね。

成績だけに目が向いてしまわれると、ちょっとしんどいなとも思いますが、

まず生徒さんが自覚できるといいなと考えています。

 

成績は後になってからでも伸びます。

 

 

レッスンは一般的な療育といわれているところとは、趣旨も指導内容も全然異なります。

 

 

レッスン半年で受けた就学相談の発達テストで、

見違えるほどにハキハキ、モリモリこなす年長さんにビックリなさったお母さんでした。

 

レッスン以前は支援学級確定だったのですが、念のために通級判定で無事に入学。

 

それはもう、思ってもみなかった生活です。

 

ですが、入学後、

お母さんは少しホッとなさったのか、体調を崩されてしまわれました。

せっかくの1年生の運動会は入院で応援に行けずという事態で大変お気の毒でした。

 

不安と癇癪強めで、スイッチが入ると所かまわずひっくり返り持久戦。

レッスンに来てくれても玄関に座り込んだまま動かない、

次にレッスンを終えたごきょうだいのお迎えでケンカが始まり、エントランスで座り込んだまま動かないことはしょっちゅうでした。

 

お買い物先のお店から退店を促されたこともあるという壮絶な日々で、

しかも、タイプの異なる困難を抱えた二人のお子さんを ワンオペで育てていらしたお母さんは極限状態にムチ打って頑張っていらしたのでしょう。

 

レッスンにいらっしゃるお母さん方は、皆さんご自分のことなんて後回しで、とにかくなんとしてでも お子さんのことをという方ばかりです。

 

お子さんを想う親御さんの姿というのは本当に尊いですね。

 

 

そして、ポストの生徒さんは週2レッスンを継続なさりながら、通級も数回通った程度で年内に終了という運びになり、なんとか1年生を無事に過ごすことができました。

 

それも思ってもみなかった生活

 

 

急速にギュイーンと伸びると嬉しい反面、お子さんの内面と経験値が全然追いつかない中で周りと同じことをこなしていかなければならず、お子さんに負担がかかることもあります。

 

そして、親御さんをはじめとする周囲の人の気持ちと対応の切り替えも追いつきません。

 

障害の受容がなされた環境に長くいると、求めないし求められないことが根深く習慣化されており、それがリバウンドの原因にもつながります。

また、その逆で、焦りから学業を先走ってしまわれることによる失速停滞もあります。

模試を受けたり学習塾にいれたり、いまのお子さんは成績ありきで本当に忙しくて大変だなと思います。

 

 

それから、ぐりさんが一番気にかかることは、

レッスンを始めたことにより、緊張の糸が途切れたり、状態がよくなって少し安心なさったことで、それまでのお母さんのお疲れが一気に噴き出すことです。

 

それは成果の上がらないことをやっている期間が長く続けば続くほど、お母さんの心と体のダメージの大きさも比例しています。

 

やはり、お子さんだけでなく、お母さん方の心と体の健康のためにも、

早期に・・半年でも1ヶ月でも早くレッスンを始められることは本当にありがたいなと思っています。

 

そして、可愛い盛りに子育ての喜びを味わっていただき、ご家族での楽しい思い出をひとつでもたくさん作っていただくことが、ぐりさんの願いです。

 

 

思ってもみなかった生活はあります。

伸びてしまえ!!