福岡ぐりむ療育とピアノと学習の教室です。別ブログやXの過去記事にコメントを加筆して書いていっています。

 

2018年頃のポストです。

 

高IQのため療育は必要ないといわれていたお子さん。

 

いらっしゃったのは3年生目前。

レッスン中は、隙あらば椅子の上に立ち上がりたい衝動にかられ、

簡単な思考判断を伴う作業のむずかしさ、

唐突で奇抜な会話、仰天な漢字、バラバラに動かせない身体・・等々

衝動性と凸凹の大きさが目立つ生徒さんでした。

 

気持ちの優しい男の子で、

ちょっと強い級友にちょっかいをだされてしまうことが多く、

対人関係には心が折れてしまっていましたし、

 

偏食が強くて「給食が憂鬱すぎるー」と言っては泣き、

気持ちの整理ができずに「今日は朝から頭痛が65回もするんだ」と言っては泣き、

きょうだい喧嘩で負けては「なんでだよ、ひどすぎる」と言っては泣き、

 

最初の頃は、話し始めると涙も一緒にポロポロこぼれてくる感じでした。

 

この年齢にして

「自分が何者かわからないんだよー」

と頭を抱え込んで泣いたことには、

ちょっと、ぐりさんの域を超えてるゾと

心配になったことを覚えています。

 

 

日常、フツーに喋っているけど、

見た目からはわからない言葉の解釈と使い方の未熟さ、

見聞きしたものからの受け取り方の独自さ。

 

たくさんの言葉で説明されたり、諭されたりして、

消化しきれずに頭の中がグルグルしてパンク寸前でした。

 

二次的障害に片足つっこんだ(・・いや発症してたか)状態

このときに会えて本当によかった、のか(・・病院に行った方がいいんじゃないか)

 

たくさんの当事者の方々が苦しんでいらっしゃることからも、

精神疾患を一度発病してしまうと、

やはり、予後は辛いものとなる場合が多くあります。

 

 

伝えることが、とりわけ苦手な生徒さんたち。

最初は なんて言えばいいのかわからなくて固まるか泣くことからです。

 

こんなこと言ったらどう思われるかなという不安もでてくるし、

自分の考えや意見はもっていなくて困っている場合もあります。

 

「うん、先生きいてるよ。どしたん?」

 

お話をすることもレッスンに含まれます。

その日の課題は少なくなることもありますが、

得られるものの方が、うんと大きいです。

 

レッスンは、一般的な療育といわれているところとは、

趣旨も指導内容も全然異なります。

 

安心してくると、たとえつたなくても

自分の言葉で話してくれるようになってきます。

これ大事。

 

「先生、聞いてください!!あのねー」

 

次のレッスンの時、ぐりさんに言おうと

思っていてくれたのかなと考えると嬉しくなります。

 

 

週2でレッスンを重ねていくうちに泣くことはなくなり、

気持ちの整理も次第にうまくなって集中力とパワーが増し、

どんどん課題をこなしていけるようになりました。

 

中学受験の挑戦をお考えになるような余裕もでてこられ、

進学塾にも通い始められました。

 

ですが、塾の授業では取りこぼしも多く、一人で勉強することの難しさもあります。

レッスンで塾のフォローという形をとらせていただきました。

 

知的には問題のないお子さんで

ノッてくるとブワーッとこなしていき

やっぱり潜在能力の高さはすごいなと感じました。

神経発達に困難を抱えるってこういうことだよなぁと。

 

 

成績アップなんてうちには縁のないこと、

うちの子には無理なことだと諦めていらしたことへの挑戦。

 

もう、それは思ってもみなかった生活です。

 

お母さんが行動を起こされたからこそ

次のステージへのスタートラインに立つことができたのです。

 

 

勉強でいくのか

技術でいくのか

体をつかうことでいくのか

 

どれでもいいし、途中で変わってもいいと思っていますが

どの業界で成功している人も『たくさん練習した』とおっしゃいます。

それは『たくさん失敗した』ってことでもあるのです。ぐりさんも自戒っ!!

 

すぐにフォローができる安全な場所で、

たくさん練習することが大切なのです。

 

 

うちにはムリ

 

 

本当にそうかな。

 

 

そのやり方、合ってるかな。

 

 

みんなと同じことをやっていてもルートはみつからないよ。

 

 

思ってもみなかった生活はあります。

みんな伸びてしまえ!!

どんどん先に進むのだ!!