「福岡 発達障害、福岡 療育 とか、
いろいろ検索しました」

と、ぐりさんの教室にお越しくださって、もうすぐ1年半。

空くん、年長さんのツイートをまとめました。

見づらい部分もありますが、
短期間でDQ71から101までの素晴らしい成長と
お母さんの惜しみない愛の記録です。


初回は、急遽決まった日程のため、
緊張の面持ちでお母さんだけでいらっしゃいました。

●赤ちゃんの頃は寝るとき何時間も泣いて抱き続けていたこと
●園庭で大の字で寝転んでしまうこと
●わざと泣いては鏡で涙が出ているか確認すること
●プラレールやラインを横目で見ること
●食べ物へのこだわりや偏食、母さんへの悪態と暴言
●ひどい癇癪、お母さんへの悪態と暴言

明らかにただそこに居るだけにしかすぎない幼稚園では問題ないと言われ・・・

それまでずっと、お一人で抱えてこられた全く理解できない空くんの行動の数々を
堰を切ったように溢れ出る涙とともにお話しくださいました。

 

「俺のお母さんは笑わないで!!」が口癖のひとつです。
家でも公園でも。
帰ってくるなり言うときもあります。
参観に行った幼稚園の教室で、先生の話も聞かず、歌も歌わず、
ただただ私に笑うなと怒る彼が解らなくて、何もできなくて目をそらすしかなく。
空のことが知りたいのです。
良いことも悪いことも、ぼんやりとしか見えない彼の姿をとにかく見たい。
そのためには何でもしたいのです。


ご家族からは「気にしすぎ」と言われ、誰からも共感を得られることなく、
相談しようにも誰にも話すこともできず、本を読んでも不安が募るばかりだった4年間。

「私がいろいろ考えすぎるから余計に悪化しているのではないか」
「親子でひっそり過ごせば特に誰かに迷惑をかけることもないし、ギョッとされることもないし」


精神的にすっかり追い詰められておいででした。

それと同時に、大変に冷静で客観的な、ご家庭では見逃してしまうようなポイントを
しっかり押さえられた素晴らしい観察力に驚かされたことを覚えています。

 

新年中さん2回目。境界域のスペクトラム。
療育での説明はなく、園からは特に問題ないと。
ご主人、おじいちゃんおばあちゃん、周囲の誰にも 乳児期から抱く違和感に共感を得られなかったお母さん。
障害に謙虚で頭が下がるが、すっかり自責の念にかられ追い詰められている。
遠方より週2回。愛と勇気に感謝— 福岡ぐりむ療育ピアノ教室 (@gurimupiano)

 

 

カサンドラ状態の年中さんのお母さん。
心ある母親だからこそ理解しようと我慢を重ね自責と焦燥感に苦しまれる。
可愛い盛りにお母さんには関わりづらい段階でお気の毒だ。
単身赴任中のお父さんにまでご挨拶頂き、園を早退して遠方より週2で通わせて下さるご理解と愛に感謝。— 福岡ぐりむ療育ピアノ教室 (@gurimupiano)



 

「これほどはっきりした返答を頂けるとは思っておらず、驚いております。
関わり方が大切と見聞きしても、その方法は模索しかなく、
日々息子と過ごして募るのは焦りと自責」



ぐりの分析や提案を的確に受け取ってくださり、特性に関しても率直に話し合えることに感謝しています。

 

園の活動で立ちつくす姿にも「あぁ、わからないんだな」と冷静でいられるようになってよかったと、年中さんのお母さん。
そこまでする必要ないのに‥と周囲に言われている。
今、熱心に通ってくださるからこそ、じっくり入念に取り組める。
10年後、一緒に笑っていましょう!— 福岡ぐりむ療育ピアノ教室(@gurimupiano)



園で七夕の短冊をガシガシ真っ黒にした年中さん。
そっか‥ヨシヨシ。
見た目にわからないタイプの躓きの理解は本当に難しい。
しかし、お母さんの優れた観察力、深いご理解と謙虚さには頭が下がる。
初めて笑って「間違えた」と言えた、5歳の誕生日に。
すんごいおめでとう♪— 福岡ぐりむ療育ピアノ教室 (@gurimupiano)

 


レッスン3~4ヶ月。
まだまだ一方的に同じフレーズを何度も繰り返すことが多い頃です。
ゲーム的な課題はルールそのものが理解できず、
また、書く作業に関しては、『見え方』も含めて困難が大変強くありました。

レッスン半年。
幼稚園では運動会のレッスンが始まり、連日何度も繰り返されるバルーンの練習などはうんざり。
音は苦手で、合唱の歌声が辛くて耳を塞いで教室を出ていくなどの行動がみられました。
暑さと練習と音とストレスで空くんは慢性的な疲労が蓄積されていました。

 

「数字をこんなふうに書きませんか?」「ハイ‥その上下反転です」初回にお母さんとそんな話をした年中さん。
線を描くことすら大変で線同士が交わることにも抵抗のあった彼が、画用紙いっぱいに電車や家、食べ物、自分とお母さん、私の顔を。

「オレ、お絵かき面白い」って。— 福岡ぐりむ療育ピアノ教室 (@gurimupiano)



3月から週2で年中さん。
夏休みや行事での崩れと毎日アクシデントが続く中で1年ぶりの発達検査。
DQ71→86。
理解や実技はもちろん、試験官とのやりとりや意思表示、取り組む姿勢や気持ちの処理等々、あまりの変貌ぶりに感動と興奮のお母さん。
いろんな思いが込められてて泣けるお手紙‥
ありがとう。 — 福岡ぐりむ療育ピアノ教室 (@gurimupiano) 

 


「この半年、息子がどれほどに頑張ってきたのか、
どれほどレッスンが充実したものだったのかと思う」
とお母さん。

前回から1年ぶりの発達検査でDQ71から86。
環境や対人面で負荷が強くかかるタイプなだけに、
以前のそのタイミングでのDQ71という数値には強く不信を抱かれ、傷ついてもいらしたと思うのです。

数値や成績は結果的なものだと考えています。
数値的には高くても困難を多く抱えていることはあります。
可視化することでわかることもありますが、振り分けられてしまうのが現実です。

空くんの今後の見通しとしてDQは100程度、年齢相応になることをお伝えしました。

このことで、お母さんが元気と勇気、安心と希望を少しだけ取り戻すことができた印象を受けました。
その頃、お母さんから頂いたメールです。
 

お教室に行く途中、バスの中でも歩きながらでも、たくさんの事を話してくれます。
幼稚園の事、歩いていて気づいた事、嫌だった事、好きな事、食べたいもの。
街路樹の下に落ちた銀杏の実を手のひらいっぱいプレゼントしてくれることもあります。
私に叱られて拗ねている日もありますが、それでも傍にいて隣を歩いてくれる事が増えました。
行き帰りも、息子を知る楽しい時間です。



ここから空くんのペースは更に上がります。

 

「オレもっと1番弾きたーい」年中さん。

半年前は園での合唱の際に耳を塞いで教室から脱走を繰り返し、うちに来ても「ピアノ弾かない、(先生も)弾かないで」とグズグズだった。

毎回たくさんの課題をこなせるようになり、ご機嫌で鞄からテキストを出し入れする姿が愛らしい。ー 福岡ぐりむ療育ピアノ教室 (@gurimupiano)



年長さん、2年め。
見たもののアウトプットは全て左右反転。
数字に限っては上下反転。
そこに線同士が重なることへの抵抗と左利きがプラスされ、書く作業全般はこの上なく難しかった。
この1年で修正、向上され、学習内容はもとより年長さんの意欲も見違える。
素晴らしい。— 福岡ぐりむ療育ピアノ教室 (@gurimupiano)

 


必要以上に筆圧が強いのは特性の1つ。

年長さん、2年め。脱力して手首を上手に使えていることがわかるね。

指示を体現できている。DQ71→86 習得していく一つ一つが年長さんにとってどれだけ大変なことなのか、レッスンが充実していることをご理解くださるお母さん。感謝 ー福岡ぐりむ療育ピアノ教室 (@gurimupiano)

 


年長さん、1年4か月。DQ71→101

癇癪、書字をはじめ学習障害、エコラリア、耳ふさぎなど特性てんこ盛りだった。課題の為の課題が必要でたくさん作成もしたなぁ。

お母さんが伸びを確信する場面が増えてきた。不安心配は尽きないが普通級での入学を決意。よくここまでに。感謝 ー福岡ぐりむ療育ピアノ教室 (@gurimupiano)

 



福岡も就学相談の季節です。
普通級で過ごすことを選択なさった空くんのお母さん。

短期間でギュン!と伸びたため、にわかに信じがたいことは理解できますが、
就学相談では当然のことのように支援級を大変に強く勧められました。


ですが、
「普通級でやっていけるのか、という思いはありますが、息子の能力を引き出せる環境で」
と、揺るぎない決意を示されたお母さんです。

いらした当初とは正反対ともいえる、力強いお母さんのお言葉に、
ぐりさんが、どれほど感銘を受けたことか。


これから空くんは基礎的な知識と作業の習得、感覚機能の訓練を盤石なものにした後、『見た目にわからないタイプ』としての課題に移行していきます。


グズグズ崩れることも、帰りに一人で先にダァーッと走り出すこともなくなり、
「次もまたコレやりたいなー」「オレ、これ得意なんだよ」「ヨッシャー」「また来るねー」と、
毎回笑顔で手を振って、お母さんと並んで歩く愛らしい姿に、ぐりさんも思わず頬が緩みます。

空くんとお母さんにも、そんななんでもない日常にありふれた親子の光景がみられるようになりました。
 

「福岡の療育センターに勧められた療育に通っていたこともあるんですけど、何をやっている時間なのかがまったくわからなかった」


この1年半の空くんのレッスンの取り組みと成長ぶりと、
就学相談における一連の話は、以前の空くんを振り返り、
一般的にみんなが受けている『発達障害の療育、配慮』といわれているものや、
空くんの将来を改めて考える機会にもなったようです。

長い時間、成果を得られないことが続くと、
不信感が強くなり、夢や希望、良いイメージを描けなくなってしまいます。

とっかかりや原動力などは、最初は何でもいいのです。
行動をおこした先にこそ道はひらけます。

療育センターでの療育は離脱、週2のレッスン1本に集中。
空くんの成長は、お母さんの自信にもつながっています。

お母さんの不安や心配は尽きることはありませんが、
空くんは会話のやりとりもしっかりしてきて、課題も意欲的にこなしていますし、
体の動かし方も上手になってきて、縄跳びなども上手にこなしています。

とりわけピアノを弾くことと歌うことは嬉しそうで、
のみ込みも早く、今後が楽しみな生徒さんです。

思い描いていた子育てとは全く異なり、
苦悩する日々を送ってこられたお母さん。
まだまだ可愛い盛りに この状態にまでなれて、
本当によかったと心から思っています。


空くんのお母さんに子育ての喜びを味わって頂くこと、
そして、空くんが、ご家族でたくさんの楽しい思い出を作って頂くことが、ぐりさんの願いです。


空くんが、レッスンに向かうバスや地下鉄から見た景色、お母さんと行き戻りにした話などを思い出し、「俺のお母さん、よくあんな遠くまで俺をつれて通ってくれたな」と、生きる力にしてもらえたら、ぐりさんは嬉しいです。

空くん、きみに出会えてよかった。
ありがとう。
6歳のお誕生日、おめでとう。

 

  福岡ぐりむ療育とピアノと学習の教室です。別ブログやXの過去記事にコメントを書いていっています。

 

2019年の記事です。

 

果てしない長文を読んでくださりありがとうございます。

 

一般的なピアノ教室を始めてからもうすぐ30年で、最初から今でいう自閉スペクトラムを抱える生徒さんをたくさんお受けしていました。

発達障害に特化してから15年程たった当時の情報があふれる世の中になっても、診断のついたお子さんの親御さんたちをとりまく環境は変わらないなと思ったことを覚えています。

 

「いま療育には通ってます」とお問い合わせいただくことも増えてきましたし、読み書き計算の教室、発達障害の運動教室、学習支援塾に通ったり、家で検索したことをゴリゴリにやっていらしたりで、それが余計ややこしいゾと感じることもあります。

 

レッスンは、一般的に発達障害の療育といわれているところとは趣旨も指導内容も全然異なります。

 

発達障害に特化しようと考えた時に、友人のベテラン臨床心理士から言われた「特性は子どもだけの問題じゃないから難しい」という言葉を思い返すことも多くなりました。

 

子どもは、あっと言う間に大きくなります。

成人してからも、たくさんの方やご家族が苦しまれているのも現実です。

 

ぐりさんは、いまできることを目の前の生徒さんに全集中です。